江東電気軌道(KDK)

KATO 490Rポイントのフランジウェイ縮小


以前にも書きましたが、弊会では運転会での仮設線路として、KATOのUNITRACKを利用しています。これが中々の難物でして、これまでにもチェックゲージの拡大トングレールの改善(二箇所)という加工を実施してきましたが、フログのフランジウェイが広すぎるために車輪が落ち込む、という点に関しては手付かずでした。フログ周辺が難接着材で作られていると思い込んでいたためだったのですが、最近、TAMIYA製のタミヤセメント(流し込みタイプ)でスチロール板との接着が可能ということを知りました。「それならばScotchのスーパー多用途2も利くのではないか?」ということで、フランジウェイ縮小工作を試行してみました。

先ず、どの位狭めるのかを考えます。NMRA S-3.2では1.22+0.05-0.33 mmですので、車輪の規格としてNMRA S-4.2のフランジ厚が最大0.76 mm、MOROPのNEM310でのそれが0.7~0.9 mmであることに鑑み、現状の1.6 mmから1.0 mm強に狭めることにしました。スパンは14.05 mm強となり、S-3.2(14.1~14.2 mm)に届きませんが、狭い分には問題は発生しませんので良しとします。実験してみたところ、ハンダ付けと接着で、厚みは合計して凡そ0.05 mm増えることが判りましたので、0.2 mm厚と0.3 mm厚の洋白帯板を重ねてスペーサを作り、接着することにしました。


22 mm強の長さに切った0.2 mm厚1.2 mm幅の洋白帯材と、16 mm強の長さに切った0.3 mm厚1.2 mm幅の洋白帯材の前端を揃えて重ね、ハンダ付けします(上)。次いで0.3 mm帯板がなくなった境目で曲げ、フログに沿う角度に調整し、実物合わせで、フログからはみ出す部分に印を付けます(中)。その部分を切除し、前端を2 mm強の長さまで面取りし、後端にはRを付けて、フランジ通過時に引っ掛からない様にします(下)。


接着位置に置いてみた様子がこちらです。この状態で台車を通過させて様子をみたところ、意外なことにスペーサの「ずれ」は確認されませんでした。考えてみますと、このスペーサには鉛直方向に力が加わるだけですので、観察結果は頷けるものです。


スペーサを黒染め後、リードレールと接触していないことをテスターで確認しつつ、片方ずつスーパー多用途2で接着します。狭い場所なので、ハックルプライヤーで接着面に圧力を加え、すこしでも強度が出る様にしました。結論として、実用上充分な強度で接着することが出来ました。

最終的には、#110車輪を使用する限りでは、フログへの落ち込みは解消されました。スムーズな運転には有効な加工かと思います。

【工作会】開催しました


5月29日に「中央区立晴海区民館」において、工作会を開催しました。COVID-19の影響で、2020、21年と2回、5月の工作会をキャンセルしましたので、2年ぶりの開催となりました。


今回は、故Kingyoさんのご家族がおみえになりました。遺作を持参されたので、状況を確認してみましたところ、長期間動かされていませんでしたので、幾分か調子は落ちていました。


また、以前ゲストで来られた方が、レイアウトモジュールと車輌を携え再訪されました。色々なギミックが仕込まれたモジュールでして、スムーズな運転を目指して、話に花が咲きました。


こちらではトラムウェイの都電をDCC化しています。動力装置自体の特性が低速寄りに振られていますので、スピードステップを最高(255)にしても中々スピードが出ません。もうちょっとスピードが欲しいと感じるのですが、実物でもこんなものの様な気がしますので、悩ましいところです。

【12mmホイホイ】枕木の配置と地面工作


染めた枕木をベースボード上に配置します。


前回付けた印に従って、水で薄めたTitebondで枕木を貼りました。枕木の平行性や端部の通りは、特に定規を当てて揃えるといったことはせず、自然の乱れを活かしました。見ての通り、間隔はジョイント部の枕木ともうまく馴染んでいる様です。


線路廻りの地面を軽量紙粘土で造形し、試しにアクリル絵具で着色してみましたが、ちょっと赤味が強すぎた様です。更に彩度は高すぎ、明度は低すぎる様にも感じます。上から草を撒くにしてもちょっと不味いかもしれません。
地面を着色した方に置いたレールは、Micro Engineering社製の、Rail Weathering Solutionを使って黒染めしてみました。集電等を考えて黒染めのままいくのか、それとも塗装するか、ジョイナー部の通電もありますのでちょっと悩んでいます。


先に枕木の配置を考えた時、ジョイント部の枕木との馴染みをレール継ぎ目を中央にすることにしましたが、その部分のレール頭部に刻みを入れ、両側にリベット付き帯板(#16客車のヘッダー用です)を貼って継目板を装いました。帯板のリベット間隔は凡そ1.1 mmで、実物の30、37kgレール用継目板のボルト孔間隔(127 mm)よりもちょっと短いのですが、雰囲気重視ということで妥協しました。

都電大塚駅前の亘線更新


5年程前に都電荒川線のポイントを踏査し、「各所で鋳物から組立式(正しくは「圧接式」だそうです)に変更されている」という印象を受けていました。まぁそれで今更なのですが、都電大塚駅前の亘線が更新されていましたので、観察してきました。

 
早稲田寄りの踏切からみた新旧比較(左側:2017-8-4撮影 右側:2022-5-3撮影)です。分岐器トングレールの先端が、三ノ輪橋寄りに少々移動した様です。このトングレール、スプリングポイントですので、以前は電車が通過する都度、「パコーン、パコーン」と2回、勢いよく復元して喧しかったのですが、更新後はダンパーが入った様で、「カコン…」の1回で済む(つまり、早稲田側台車が通過して、三ノ輪橋側台車が通過するまで戻らない)様になりました。騒音対策、にもなって幸いです。

 
三ノ輪橋側ポイントの新旧比較(左側:2018-1-30撮影 右側:2022-5-3撮影)です。分岐器トングレールの位置は変っていない様です。新しい方では、写真中央の、白色に塗装された継目板が目立ちます。これは、信号関係の絶縁継目でしょうか?


銘板が読めました。図面番号は「RO50NM#4 4-130」とあります。以前の鋳鋼製フログには、「50-13°」という陽刻がありました。4番フログの交差角は、日本の規格では14°18′ですから、ちょっと急になった様です。分岐器トングレールの先端が、三ノ輪橋寄りに少々移動したのは、この反映と考えますと納得できます。

【12mmホイホイ】枕木の工作


ベースボードの塗装と乾燥が済みましたので、枕木の工作を始めます。


枕木は先に書いた治具を使って、24.4 mm長に切り出しました。そのまま、「生」の色で使用する訳にもいきませんので、エコーモデル製の「STカラー」で染めてみました。写真はラッカーシンナーで割ったSTカラーに枕木を漬け込んでいるところです。結論からいうと、内部への浸透は少ない様子ですので、ずらっと並べて筆で塗った方が早かった様な気がします。


枕木を染めた結果です。左がラッカーシンナーで割ったSTカラーで、右がアルコールで割った墨汁で染めたものです。それぞれの下には比較のため、染める前の枕木を置いてあります。

STカラーで染めたものは、新品の枕木、墨汁で染めたものは、だいぶ風雨に晒された枕木、といった印象です。欲を言えば、墨汁で染めたものは、もうちょっと黄土色がかった方がいいのかもしれません。この辺は更に、水性ステイン等を試してみる必要がありそうです。


これも先に述べた通り、枕木を整列させるために配置図をCADで描き、それを実寸で出力してボード上に置き、枕木の四隅を針で突いてベースボードにトレースしました。あとはこれに従って枕木を貼っていきます。