工作

Double Truck Birney (5)


他のことを色々とやっていたので、前回より1年1ヶ月ぶりの書き込みです。


実は、凸モールド表現になっているヘッドライトの仕上げ方法で悩んでいました。元々は専用設計の3Dプリント製床板に指定部品を付けるだけという簡単な作業の積りで始めたのですが… 高さ方向の寸法が出鱈目という罠に嵌り、それを修正しているうちに「簡単な作業」というのは何だったのかという体たらく… もう、ここまで手を掛けたのだから正攻法で行こう、ということになりまして、ヘッドライトをくりぬいて1/80用の3 mmφレンズをはめ込める様加工しました。写真は、塗装・デカール貼りを済ませた前面と未加工のそれの比較です。つまり、塗装とかその辺の作業は地道に進行させていた訳です。


さてヘッドライトが透明となりますと、「ここまで手を掛けたのでから、点灯させなきゃ面白くないよね?」ということになりまして、前面裏側からレンズを照らすLEDユニットを作りました。で、そうなりますと、「ここまで手を掛けたのでから、室内灯も点灯させなきゃ面白くないよね?」ということになり、屋根裏側に貼るLEDユニットも作ることになりました。写真の上側に写っている、横に長いLEDユニットが室内灯用、下側に2つ並んでいるものが前照灯用です。室内灯用はハンダ付けが終わったばかりの状態で、この後でフラックスを洗浄する必要があります。


DCCデコーダは、故kingyoさんより頂いた、DH165IPの発生品(=新品ではない)を用いることにしました。通常使用時とは上下逆にして後部デッキに積み、上側からダブルピンソケットを4×2極に切ったものを挿し、それを中継端子とすることで結線しました。写真は、動力関係の配線をして、進行方向が正しいかどうかテストした時のものです(弊社では、片運車は運転台のある側を前、両運車は動力台車側を前としています)。今後は、SEPTA Kawasaki LRVと同様、fool proofを心掛けつつ灯火関係の配線を引き出していくことになります。

10/2追記:Digitrax社の説明シート所収の写真と外見がちょっと違っていて不思議だったのですが、F0以外のファンクションを引き出すパッドの外側に1×4列のユニバーサル基板が、33Ωのチップレジスタ(写真では裏側になっていて見えません)を介して固定されていることに気付きました。これはF1を引き出す際邪魔になりますので、取り外すことにします。

【12mmホイホイ】カーブレール敷設方法


一例として参考までに、カーブ部分をハンドレイする方法を書いておきます。


スパイクを打つ枕木をマーキングした後、罫書線を入れた透明プラスチック板を使って、中心線から5.5 mm外側にカーブ外側レール内側のスパイクを仮り打ちします。枕木のマーキングには、細切りしたマスキングテープを使いました。


仮り打ちしたスパイクの外側に沿わせてカーブ外側のレールをスパイクします。同時に先に仮り打ちした内側のスパイクも本締めします。


カーブ内側のレールを、G=12.4 mmのトラックゲージに従ってスパイクします。

TMS990号(2024年7月号)所収の「ORION PACIFIC RAILWAY」におきましても、ほぼ同様の方法でハンドレイが行われていますので、誰が考えてもまぁこの位の手法に落ち着く、といったところでしょうか? 尚、この方法では、カーブ内側レールをずらすことでスラックを与えていますが、実物では原則、外側レールを基準として曲線内方に軌間を拡大してつける(ボリヴィア国 鉄道網整備計画調査最終報告書 付属資料 付11-80ページ)とのことですので、まぁ実物通りなので問題ないと考えます。また、接続部はTILLIGのTT用道床付き組線路に合わせてG=12.0 mmとなっていますが、ごく短い長さですので、通過に支障はない模様です。

「DSairLite」の組立


Desktop Stationさんが製造・販売している「DSairLite」というDCCコマンドステーションキットを組み立ててみました。


組立前の基板です。上がメインボード、下がメインボード裏に固定するRaspberry Pi Pico Wです。で、左が組立状態での表側、右が裏側です。キットと言いつつ、メインボードに組み付ける部品はラズパイを含めて6個、そのうち取付方向に注意する必要があるものは47uFの電解キャパシタのみですから、先に組み立てた「スマイルライター コンボ-P」よりも気楽に組むことが出来ました。

入手したのは量産品第1ロットで、Raspberry Pi Pico Wにプログラムが書き込まれていません。そこで組み立てる前にラズパイにプログラムを書き込み、正常に書き込めることを確認した後、組付けました。書き込みは、Webページで公開されているDSupdateというソフトウェアで簡単に済ますことが出来ました。

ラズパイのハンダ付けに際し、双方の全パッドに予備ハンダを施したのですが、その厚みが邪魔になってハンダ付けがやりにくくなってしまいました。予備ハンダは四隅のパッドのみにするか、それともなしでパッドの隅からハンダを流したほうが宜しい様に感じました。


全部品を組み付けた後、ハンダ付け箇所を点検・補修して(ハンダ付けするところは57箇所で、中々の数です)通電してみたところです。ACアダプタには製造・販売元から推奨されているLTE10UW-S3-BS01という、15V 0.8Aのものを使用することにしました。もっと高電圧大電流のACアダプタも使用できるのですが、弊社所属の小型車輛ならばこの程度で充分、という判断です。


フィーダ線はコネクタに、KATOの給電側プラグのコネクターピンに0.8 mmφの燐青銅線をハンダ付けしてネジ止めして一体化させ、KATOのフィーダーを直接接続できる様にしてみました。左側に写っているのは、給電側プラグのコネクターピンを抜くための工具(エンジニア製SS-31)です。


全てを組み上げて試運転です。15個あるボタンは、非常停止にも使うPWRボタンを赤、走行前に使うMODEボタンとENTERボタンを黄、走行中に使うFNCボタンと<>ボタンを灰とし、残るテンキーを白に色分けしてみました。使ってみますと、非常にコンパクトでありかつ、アナログ車輛用のPWMアナログパワーパックとしても機能しますので、「これさえ持っていけば何でも運転できる」という、非常に使い勝手の良い制御機器になりました。欲を言うならば、ピュアアナログアダプタを作っておいて、完全DCでも運転できる様にしておきたいものです。回路としては、ゆうえんさんの記事が参考になると考えています。

ところで、安価で供給されるキットは需要が少なく、今夏で販売終了とのことで、これに伴い、色付きボタンの別売もなくなってしまった様です。残念ですが、タイパ重視の昨今では仕方ないのでしょう。まぁそれに伴い、製品コンセプトが「エントリー・廉価機」から「スタンダード機」に変更される(それに伴い価格も上昇、との告知があります)とのことですので、期待しています。

【12mmホイホイ】レール敷設


最小限のエンドレス部分に、レールを敷設しました。


レールを敷設する前に、地面を着色しておきました。試作モジュールでは、水性アクリル絵具を混色しましたが、結果的にはタミヤのXF-72「茶色(陸上自衛隊)」と、殆ど同じ色に落ち着きましたので、時間の節約ということで、それをムラを作り乍ら塗ることにしました。レールはKATO HOユニトラックで使用しているものを利用し、敷設前にMicro Engineering製の黒染液で染めておきました。ゲージは、直線と接続部はTillig TT Bahnに揃えて12.0 mm、曲線部は0.4 mmのスラックを付けて12.4 mmを目指しました。


敷設後、レール上面を磨きだして試運転です。曲線通過性能の確認も兼ねて、オークションで入手した乗工社の「名鉄モ510」を走らせ、スムーズに走行することを確認しました。この曲線を通過可能なボギー車の手持ちは他にありませんので、「まぁこれで良し!」ということにしました。いざ問題が発生しても、ハンドレイですから、フレキ軌框より修正し易いということもあります。


参考になるかは不明ですが、備忘も兼ねて使用器材を載せておきます。左側上はシノハラ(現在はModels IMON発売)のレール矯正器、スパイク作業中にレール曲率を微調整する際に使用しました。左側下は自作三点式トラックゲージ、実際に使ってみますとスラックが付き過ぎましたので、レールの仮押さえ位にしか役立ちませんでした。下敷きになっているのは適当なべニア板端材に10.5 mmφ非絶車輪を、ワッシャーを介して木ネジで固定したレールベンダーです。車輪位置はトライ&エラーで決め、適当なところで手で修正して用いました。微調整が利く既製品各種ある様ですが、少量作るだけならこの程度でも充分役に立ちます。

右側上は自作トラックゲージ、G(TRACK GAUGE)=12.0 mm、S(SPAN)=10.3 mmを目標に作りました(ということでC(TRACK CHECK GAUGE)=11.15 mm、F(FLANGE WAY WIDTH)=0.85 mmになっています)。ちなみにその上側は輪軸ゲージで、K(WHEEL CHECK GAUGE)=11.1 mm、B(BACK TO BACK)=10.3 mmとなっています。中央は片端から5.5 mm離して罫書線を入れた透明プラスチック板で、カーブ外側レール内側のスパイク位置を決めるのに用いました。右側下はカーブ用のトラックゲージ、スラックを加味してG=12.4 mmで作ってあります。

中央は使用したスパイクで、下が主に用いたMicro Engineering製の微小(Micro)スパイク、下が接続部の固定に使用したシノハラ製のHOn3用スパイクです。いずれも顎を短く切り詰めて使用しています。

「スマイルライター コンボ-P」完成


5月の工作会で部品を組み付けた「スマイルライター コンボ-P」を完成させました。


PICを挿入したりカバーを被せたりする前に、部品の組み付けやハンダ付けがちゃんと出来ているのかを、我流乍ら検証しました。
まず目視で、ハンダ付け箇所を点検し、ちょっとでも怪しい箇所には追いハンダをしました。次に、Nucky氏のブログを参考に、USBコネクタの端子4つの間の導通がないことを確認しました。VBUSとGND間に短時間の導通が確認されて焦りましたが、回路図をみると47uFのキャパシタが挟まっていることが確認され、一安心しました。

続いて小さなUSB ACアダプタを接続して、PIC18F2550を挿す28ピンICソケットの20番ピンと8番ピンの間に5Vかかっている(20番が+です)ことを確認しました。この時、LED1(Power)の点灯も確認できました。ここまで来ればもう大丈夫だろう… ということで、PIC18F2550をソケットに挿入して、全体を組み上げました。


さて、次はちゃんとプログラムを書き込めるのかを検証する必要があります。ターゲットとしては「ワンコインデコーダ6」の基板にPIC12F1822-I/SNのみをハンダ付けしたものでも構わないのですが、表面実装部品のハンダ付け経験が乏しいので、いざ駄目だった時に、原因の切り分けが困難になります。幸い、「スマイルライター コンボ-P」にはICSP端子がありますので、Nucky氏の記事を参考に、PIC用書込みアダプタを作り、これにDIP版のPIC12F1822を挿してターゲットにすることにしました。アダプタは、1)「純正PICKitと比較するとICSP端子が引っ込んでいる」そうなので、ピンを外側に出す様にした関係から、2)ICSPの4番ピンからの配線取り回しを変更し、ここまででかなりの変更を加えたのでついでに、3)「スマイルライター コンボ-P」と「書込みアダプタ」が一列になる様全体を修正してみました。


書き込みソフトについては、廃棄予定のWindows XPパソコンを復活させ、そこにNucky氏の記事通りにPICKit2 Programmerをインストールしました。記事にある通りデバイス定義リストを更新した後、全てを繋いでテストしたところ、ちゃんと「スマイルライター コンボ-P」を「PICKit2」と認識し、挿したPICに対しRead、Write、Verify、Erase、Blank Check全てで正常に動作することを確認しました。


こちらはZIFソケットに挿したPIC12F1822-I/Pへ、「ワンコインデコーダ6」用プログラムを書き込んでいる様子です。