右亘り線再び


そろそろ都電ホイホイを走行できるアメリカ型路面電車が2輌になりそう( Double Truck BirneyP.E. 100)…… いや、Single Truck Birneyを入れると3輌になりますので、ちゃんと右側通行で走らせてやりたいと考える様になりました。都電ホイホイは亘線が1つと左分岐が2つしかありませんので、現有の左亘りを右亘りに差し替えれば、容易に右側通行とすることが出来そうです。

右亘り線は以前、標準ホイホイで作りかけ一箇所変える位ではどうしようもないことに気付いて製作を中断したのですが、都電ホイホイで再挑戦です。


仕掛品を探ってみますと、これだけの部品が発掘されました。332 mm長の直線ベースボードを作ったことは完全に忘却の彼方でした。ATLASの右スナップポイントは、道床に載っているTrue-Track版を買ってありました。発注した時に、True-Track版しか在庫がなかったので、時間が限られていたので多少高くなりますがそちらを買った記憶があります。その時同時に買った左スナップポイントは、都電ホイホイに仕立てて、2013年の関東合運で使用しました。肩を落としたS174ユニトラックは、過去多数切断した際に切っておいたものの余りです。直線部分が足りないかもしれませんが、これについてははこれまでの製作で発生した余剰品がありますので、まぁ何とかなるでしょう。


線路の中敷は、WalthersのStreet Track Insert Setが3つ在庫していました。右スナップポイント関係のものは使用していないと記憶していますので、2セット分は何とか賄えるでしょう。


ホイホイの端面を観察してみますと、縦通材の長さが足りなかった様で、前後に各2.5 mm程、10×20 mm角材から薄板を切り出して延長してあります。このベースボードはひょっとすると、「廃材の有効利用」位の考えで作ったのかもしれません。ともあれ、折角作ったベースボードですので、有効活用していきたいものです。

次の作業は、左亘りを採寸して、レールの切断位置を決定、ポイントの設置位置を決定することです。左右反転しているとはいえ、一回作ったものですから比較的気楽な作業になりそうです。

Pacific Electric 100 Series Local Car (7)


前述の通り、デコーダーはDH165IPをドア部に垂直に立てることにしました。この方針に従って、ソケット付きの固定アダプターを作ります。


固定アダプターは0.3 mm厚の真鍮板を切り出して折り曲げ、ハンダで組んだフレームに、2列ピンソケットをハンダ付けしたユニバーサル基板を接着して作ります。基板の中央付近に傷が入っているのは、上下のランドも配線に利用できる様に、ユニバーサル基板にブレッドボード配線パターンタイプを利用したためです。縦1列5つのランドは電気的に連結されていますが、この4列に限り、傷を境に2つと3つに分割されています。

L字型に折り曲げた脚は、方眼紙上で適当な真鍮帯板を使って正しい幅、角度(直角)に「ロ」の字に仮組した後、折り曲げ機で2脚を一気に曲げました。写真では製作途中の寸法角度保持のため、仮組用の真鍮帯板の片方が残っています。もう片方は、脚を底板にハンダ付けする際に取り外しました。


ユニバーサル基板を接着した後、目立たなくなる様に黒く塗装しました。さてフレームを黒染めした後で基板をエポキシ系接着剤で接着したのですが、黒染めした真鍮版に接する面のみ硬化しないというトラブルに見舞われました。基板に接する面は硬化しましたので、接着剤の不良や混合不足ということも考えにくく思います。

ということで、硬化不良の接着剤を除去し、フレーム接着面の黒染めをキサゲ刷毛で剥がし、再度接着しました。そうすると今度は十分な強度で接着することができました。ということは、やはり「黒染め処理」が何らかの悪さをしていた可能性があります。これはちょっと、研究する必要がありそうです。


電装品の配置がほぼ固まってきましたので、テールライト/ルームライト用基板の配置を検討しました。この基板はポール軸受を避ける必要がありますが、この写真の様に40 mm程離せば良さそうです。ポールフック下部とテールライト用の光学繊維も互いに支障することはなさそうです。

EM13テスト用アダプター


安価かつ小型な動力車用デコーダーとして利用しようと考えているKATO製EM13デコーダーを、リード線のハンダ付け等の加工を施す前にテストするアダプターを作ってみました。


弊社で使用しているLoy’s Toys製デコーダーテスターには、最も古典的なNMRA Medium Interfaceソケットが備わっていますので、適合プラグの1、4、5、8番ピンからNMRAのカラーコードに従ったAWG30程度のリード線を引き出し、先端に1.5×0.3 mm程度の真鍮帯材を12 mm位に切り出した接点をハンダ付けしておきます。ハンダ付け箇所は小径の熱収縮テープで保護しておきます。慣例に従い、1番ピンには白色塗料でマーキングを施してあります。


そしてこの様に、EM13デコーダーから伸びている「脚」を上下から、赤/橙、黒/灰のコードで挟むことで接続します。帯板とデコーダー基板はその上下から、木製クリップで挟んで固定します。この状態でDCCプラグをDCCソケットに差し込めば、テストすることができます。


挟んだ部分を基板断面方向からみた様子です。上下の端子は、基板と熱収縮テープの厚みで絶縁されています。

この状態で端子をシリコンチューブ等で固定できれば、EM13を無加工でDCCフレンドリーではない車輛に搭載できるかもしれません。

Pacific Electric 100 Series Local Car (6)


塗装を進めました。


実車の塗り分けは、幕板~ウィンドヘッダーとドアがオレンジ、それ以外が赤色です。表面モールドの凸凹を考えると、幕板~ウィンドヘッダーは先に車体の赤を塗ってマスキング後にオレンジを、ドアはオレンジに塗ってからマスキングして周囲の赤を塗るのが吹き込み難くて良さそうです。ということで一旦、幕板~ウィンドヘッダーとドア以外をマスキングしてオレンジを吹き、その後幕板~ウィンドヘッダーとドアをマスキングして再度赤を吹いてみました。結果としてかなり厚塗りしたので、表面の積層痕も大分目立たなくなりました。これならばデカールを貼った後で艶消しクリアでオーバーコートしてやれば、そこそこ見られる様になりそうです。車体はもうちょっと放置して、塗膜中のシンナーが飛んでから組み立てようと思います。それまでの間は、屋根裏に簡単にアクセスできる状態が続きますので、ポールとポールフックの造作を進めることにします。


並行してテールライトとルームライト用基板にチップLEDを取り付けました。ルームライト用LEDは下向き(写真では正面側)を向いていますが、テールライト用LEDは前後方向(写真では短辺方向)を向いています。これは直角に曲げた真鍮帯板を介してハンダ付けすることで、この配置を実現しています。前後に置いてあるのは、先に作ったヘッドライト用LED基板です。右側が車体内側面、左側が車体外側面で、テープで車体に貼り付ける側です。


搭載するデコーダーですが、スペースが小さく、なかなか良さげな搭載方法が思いつきません。小型のDN136Dを考えたのですが、配線中継用のPCB基板と重ねるか、デコーダーを垂直に立てるかしないと収まりそうもありません。いずれにせよ、デコーダー本体はリード線で浮かして固定することになりそうで、どうもすっきりしません。そこで、DH165IPを垂直に立て、ピンをDouble Truck Birney同様に配線の中継端子に利用することを考えました。ということで、先と同様に、故kingyoさんより頂いた発生品DH165IPの付加物(1×4列のユニバーサル基板と33Ωのチップ抵抗)を除去し、動作確認をしているところです。まぁ色々と弄り回されてきたデコーダーですので、表面に付着したフラックス(ロジン)やらテープの粘着剤やらが気になり、除去するためにイソプロパノールで洗いましたので、念のためテストしてみた次第です。

【工作会】開催しました


5月18日に「中央区立月島区民館」において、工作会を開催しました。今回の工作会は珍しく、「都電」というテーマを決めて実施しました。


弊社のプロジェクトは、都電ホイホイ直線部の中敷交換です。対象となるのは、直線332 mm都電ホイホイと直線300 mm都電ホイホイの2つです。


従来の中敷をジョイナー部端面より、どこかで拾った0.6 mm厚の3 mm幅鉄帯材を差し込んで、だましだまし両面テープを剥がして剥離した後、新たな中敷を両面テープで固着しました。前回のカーブ部は13.4 mm幅2枚と12.8 mm幅2枚の4枚重ね(下2枚が狭い)でしたが、今回の直線部は13.4 mm幅3枚と14.4 mm幅1枚の4枚重ね(下1枚が広い)としました。これは、使用した枕木の違い(曲線部はPECO製、直線部はユニトラック)を反映したためです。


続いて、ここ10年以上休車状態だった都電5501の状態を確認しました。かなり昔にDigitrax社製DN140デコーダを積んでDCC化したものです。10年以上通電してこなかったので、DCCデコーダは駄目になっているものと覚悟していたのですが、「DSairLite」を使用してアドレスを探査してみますと、無事「55」というアドレス(旧いデコーダなので、4桁非対応です)が読み出せました。試運転してみますと問題なく走行できる様でしたので、後日車輪踏面の研磨と注油を行って現役復帰させることとしました。


最後は、ずっと死蔵してきた都電6501の状態確認です。購入直後にアナログ制御で簡単に試運転しただけで、DCC化も未了でしたが、上下を分離してDCC化する方法を探りました。そうするとどうも、動力台車右側の集電ブラシが不良だった様子です。これについてはインポーター(ムサシノモデル)に相談しようと思っていますが、旧い製品でかつ自社製造ではないので部品が出ない可能性は高いです。そうしますと何とか自力で補修しなければならない訳ですので、方法を考えている最中です。DCC化は、モーター周りの開口部に電線が通すことが出来れば(DCCでの線路電圧とモーターへの電圧はアナログ制御と比べて高いので、かなり細い電線でも大丈夫なことは確認済みです)何とかなりそうです。

あと、床板が余りにタイトで、容易に付け外しできませんでしたので、引っ掛かる部分をヤスリで削り落としたり滑らかにしたりして、何とか問題なく着脱出来る様にしました。ここは後日、タッチアップしておくことが必要でしょう。


Sさんの「トラムウェイ製都電DCC化プロジェクト」は、8000型から7500型に移って進行中です。トラムウェイ製都電は弊社にも在籍していますので、この機会に配線を覗かせて頂きました。集電・動力関係はラグ板から電線で配線されていて、容易にDCC化出来そうです。反面ライトユニットは表面実装PCBで、一筋縄では行きそうもありません。おなけにこの基板、7000/8000型と7500型共用で、LED実装位置で作り分けている様なので、猶更です。

あと写真を撮り忘れましたが、SさんはMODEMOの都電7000型プラキットを組み立てておられました。

路面関係はちょっと他のプロジェクトにかまけてここ2ヶ月程低調でしたが、久しぶりに刺激を頂けて幸いでした。