ホイホイ・MTCC規格モジュール

都電ホイホイの改修(4補遺)


舗装まで済ませた都電ホイホイに給電フィーダーを追設してみました。

KATOから発売されているターミナルユニジョイナーを使用すれば、接続部どこへでもフィーダーを設置することが出来るのですが、分解した場合には2つの線路をコードで結ぶ格好になって、甚だ不便です。ターミナルユニジョイナーに付いている2芯コードの単線部を長くして(要するに裂いて)線路両端に接続してやれば、分解しても1つの線路にフィーダーが残り、取り扱いが楽になります。このことから、12mmホイホイではこの方法でフィーダーを設置すべく準備をしてあります(写真3枚目参照)が、それを複線ホイホイに応用しようという考えです。

先の構想では直線300 mmホイホイに給電フィーダーを設ける目論見でしたが、ちょっと考えを改め、長さ332 mmの片亘ホイホイと必ず行動を共にする直線332 mmホイホイにフィーダーを設けることにしました。片亘ホイホイの長さが332 mmとなったのは、ATLASの#83スナップ・スイッチを、Walthersから出ているStreet Track Inserts共々利用して複線間隔40 mmの片亘を作ると、この長さにしか収まらなかった為です。この長さは、ユニジョイナーを付けたまま収納トランク長辺に丁度収まる寸法でしたので、例外的長さですが、対辺の直線を同じ長さで作ればエンドレスを組めますので妥協しました。四半世紀近く経過した今ならば、片亘を自作するかもしれません。


先ず先の12mmホイホイと同様に、フレームの角材にコードを通す溝を掘ります。ここでは、幅4 mm深さ4 mmの溝を各辺中央に掘りました。弊社ではこういった溝は、両側に先ず鋸で切れ目を入れた後、中央部を彫刻刀で削り取ることで作成しています。溝の内側は木の生地となりますので、防湿のため薄く溶いだ油性ニスを染み込ませておきます。右側が加工を済ませた直線332 mmホイホイ、左側が加工していない直線300 mmホイホイです。両者中央にあるサーフェイサーのタッチアップは、軌框を固定したスパイクの処理痕です。


ターミナルユニジョイナーにはこの様に、ユニジョイナーを各極1つづつ増設します。増設に使用したコードの導体断面積は元々のものに揃え、AWG24相当の製品としました。元々の規格はコードに書かれていましたので知ることができました。増設コードの長さは、複線間隔+15 mmとしたところ、丁度良かった様です。


これら2つを組み合わせてこの様に組み立てますと、複線ホイホイへのフィーダー追設が完了します。

都電ホイホイの改修(3終)


都電ホイホイの改修を進めます。


舗装の浮き上がりも補修できましたので、いよいよ塗装が完了した中敷を貼り付けます。位置合わせがシビアですので、先ずこの様にマスキングテープで仮止めし、位置(特にレール方向)を決めます。


中敷が動かない様にマスキングテープを追加し、真ん中の中敷から貼り付け作業を開始します。この様に裏返して並べ、スペーサー位置に合わせて両面テープを貼付して裏紙を剥がし、線路中央に貼り付けていきます。裏紙を剥がす前に、その上からインレタ用バニッシャーで擦り、裏紙を剥がす際にテープが剥がれてこない様にしつつ、次々に貼り付けていきます。


中敷全てを貼り終えて、何年振りでしょうか、エンドレスに組んでみました。これでも機会ある度に改良を加えておりまして、専用軌道部分のユニトラ接続部とそこに嵌るユニジョイナーは、12mmホイホイと同様にリキテックスで着色して目立たなくしてあります。で、これら8つの都電ホイホイは小型トランクに丁度収まる様に出来ていますので、別のカバンに車輛と制御装置を入れてやれば、どこへでも出張運転が出来る様になります。

しかしこうやってエンドレスにしてみますと、直線区間の中敷がマーメイドで貼ってあるのが気になります。カーブ部分と同じ様式に揃えたほうが統一感が出て宜しいかもしれません。


折角ですので、複線間隔40 mmのホイホイ一族を並べてみました。車庫線分岐が専用・併用軌道各1、150 mm長の直線が専用・併用軌道各2、140 mm長と160 mm長の併用軌道直線が各1、あとは未舗装の300 mm直線が2(うち1つは給電フィーダー付)、複線間隔40-50 mmの連絡線が左開き右開き各1です。余り材料や舗装材料のテストで作ったものがこれだけ溜まっていました。これらは順次舗装していかねばならないのですが、テストで選定したマーメイド紙の「グレー2」は、2020年1月のカラーラインナップリニューアルにより廃色となった由ですので、手持ち在庫に頼ることになりそうです。

これらのうち、給電フィーダー付300 mm直線は既存の300 mm直線ホイホイと舗装を交換して(舗装を「こいねず」に揃えたい、という希望です)、先のトランクセットの300 mm直線と交換したいと思っていたのですが、フィーダーを付けられる様に細工した12mmホイホイを弄っているうちに、給電コードをボード下に通せる様に加工するだけで目的を達せられることに気付いてしまいました。ということで、これからも改良は続くことになりそうです。

都電ホイホイの改修(2)


1月は寒くて気力が湧かず、別ジャンルの小型車弄りに終始してしまいました。で、ようやっと暖かくなってきましたので、都電ホイホイの改修を進めます。


12月の工作会で外縁を仕上げた中敷を塗装します。前の塗装はカーブ3枚でしたが、今回はカーブ21枚に40 mm直線8枚ですから、かなりの容量の塗料を吹く必要があります。TAMIYAのスプレーワークHG-T付属の塗料カップ(7 cc)では足らなくなりそうでしたので、別売の17 cc塗料カップを付けて塗装に臨みました。


GSIクレオスの「Mr.フイ二ッシングサーフェイサー1500ブラック」で下塗りしたところ、表側には結構「かえり」が出ていましたので、#500の耐水ペーパーで軽くヤスって落としました。


表側を塗装したので、いよいよ貼り付けになる訳ですが、4枚中1枚の複線間の舗装が浮き上がっていますので、先ずそちらを補修することにします。舗装は学校教育工作用紙2枚重ねの上にマーメイド紙を接着したものですが、2枚重ねの工作用紙が剥がれ、浮き上がっていました。ということで剥がれは水で薄めたTitebondを流し込んで圧着することで補修し、複線中央部にはスペーサーを増設して浮き上がりを防止することにしました。写真は、両面テープ片面を貼り終え、いよいよ保護テープを剥がして接着しようという状況です。

【忘年工作会】開催しました


12月22日に「中央区立月島区民館」において、忘年工作会を開催しました。


弊社のプロジェクトは、都電ホイホイ改修の続きです。カーブ部分の中敷は30°刻みとしましたので、必要枚数360°÷30°×2で24枚、予備1枚を加えて25枚、各4枚重ねですので、前報以来0.5 mm厚のペーパー100枚を接着してきました。ようやっと先行した試作3枚を除く22枚の積層が終了しましたので、外縁をペーパーで滑らかに仕上げました。手前が仕上げ前、奥が仕上げ後です。4枚重ねのうち下2枚は、使用してあるPECO製枕木のレール締結装置を避けるために少々狭くしましたので、外縁を仕上げても下2枚の縁は未仕上げのままとなりまして、茶色く焦げたままです。この辺は黒色に塗装してしまいますので問題ないでしょう。

簡単に終わるかと思って他のプロジェクトも持参したのですが中々時間を喰い、18枚仕上げたところで時間切れとなってしまいました…


Yさんのプロジェクトです。昨年に引き続きトラムウェイの都電8000のDCC化です。「ヘッド/テールライトも点灯させたい」ということで、EM13ではなく、通常の4FXデコーダ(DZ146… でしたっけ?)を使ってのチップLED点灯実験です。紆余曲折あって、ようやっと1つ点灯させることに成功した場面です。ここまで来れば後は至極順調に4つ点灯させることに成功しました。


Kさんの、犬走工房製のトラフガーダー(BR-103)をホイホイに組み込もうというプロジェクトです。


ユニトラックの道床を切断し、ガーダーを挟んで仮置きして様子をみているところです。中々良さげです。


橋台(BR-112)に載せるとこんな感じです。次の検討課題はこれを何mm長のホイホイに組み込むか、橋部で何mm上昇させるかです。


Sさんのプロジェクトで、プラレールアドバンスの制御装置を組み込んで車輛を制御できないか、の検討です。果たしてどうなりますでしょうか…

工作会終了後は、月島のもんじゃ屋で例年通り忘年会を開催し、お開きとなりました。

都電ホイホイの改修(1)


10年以上前に、「旧作・健在?」ということで紹介した都電ホイホイですが、「DSairLite」に触発されて、「簡単に持ち運びできる線路が欲しいなぁ…」ということになりまして、改修することにしました。


問題は先に述べた通り、経年変化でレール間の舗装が浮き上がっていることでした。これは先に撤去してしまっているので、復旧しなければなりません。逆に言えば、これを復旧すれば、最小限のエンドレスとして現役復帰出来ます。先ず、PECOの枕木には接着テープがよく効きませんので、枕木間に「詰め物」を接着し、これを介してレール間の舗装を固着することにしました。「詰め物」は3.5×15 mmに切り出した2.0 mm厚スチレンペーパーで、これを枕木間に1つおきに接着しました。舗装して上から隙間を通して見える部分は、艶消し黒で塗り潰しておきました。


中敷きは曲線半径180 mmRという設計諸元から、レール間の中敷をレーザーカットで抜いてみました。カットそのものは、IORI工房さんに依頼しました。公称0.5 mm厚の紙で抜いて頂きましたが、実際に4枚重ねで接着してみると1.8 mm厚… うーん、実寸は0.45 mm厚位でしょうか… (注:これは有効数字の問題でして、0.45 mmを0.5 mmと表記することは何等問題ありませんので誤解なき様お願い申し上げます)。過去に使用したWalthersのインサート(#933-3140)を目標に、厚さ2 mmを目標にしましたが、0.2 mm程薄くなりました。これはこれで、線路クリーニングの際に中敷きを傷付ける可能性が減りますので、「良し」とします。


表裏をGSIクレオスの「Mr.フイ二ッシングサーフェイサー1500ブラック」で下塗りしてから、TAMIYAのLP-75「バフ」とLP-4「フラットホワイト」を凡そ1:1に混合し、かつて使用したPollyScaleのAged Concreteに似せて表面に吹き付けました。PollyScaleのAged Concreteの在庫はあるのですが、紙に水性塗料を吹くのも何か抵抗がありましたので、今回はアクリルラッカー系塗料を調色して吹いてみました。

中敷きを仮固定して試運転です。ここに写っている都電6000と、P.E.のDouble Truck Birneyを使いましたが、どちらも問題なく通過しました。ということで、残りの中敷きをどんどん量産していくことに致しました。曲線手前に写っているのは、前回触れた、製作を中止した路盤を利用したフィーダー付きホイホイです。これも舗装してやらねばいけません。