DCC
2025年7月28日 7:30 AM | 投稿者名: treasure
ちょっとした電子工作をやってました。
Loy’s Toys製デコーダーテスタの修理

先に記した通り、弊社ではLoy’s Toys製デコーダーテスタを使用しています。これに備わっているNMRA Medium Interfaceソケットの接触が、製造から30年を経過したためか悪くなってきましたので交換してみました。

表面のパネルを外してみますと、パネルそのものがプリント基板になっていました。ケーブルで配線されていて、正しく結線し直すのにかなり神経を使うだろうという覚悟で取り掛かったのですが、拍子抜けしてしまいました。ということで、ハンダ吸取器やハンダ吸取線を駆使して元からのハンダを除去して不良ソケットを外し、新品ソケットを挿入してハンダ付けして修理完了です。

取り付けた新品ソケットです。
ついでに内部結線を簡単に書いておきますと、ファンクションの動作確認はコモン(+:青)と各ファンクション(-)間をLEDと1/4W 1kΩの抵抗で結び、LEDの点灯によってファンクションのオンオフをテストしています。
モーターの動作確認は逆極性に並列接続したLEDに、1/4W 1kΩの抵抗を直列に接続したものをモーター出力間に接続し、どちらのLEDが点灯するかによってモーターへの通電方向、ひいてはモーターの回転方向をテストしています。更にモーター出力間には2W 120Ωの抵抗が先の回路と並列に挿入され、モーターへの通電を模しています。
レールからの電流は、2W 120Ωの抵抗を介してデコーダーに入力されています。この抵抗は、パネル表面のジャンパー端子をショートさせることによって無効とすることが出来ます。基本的には抵抗を介したまま使用し、CV設定がうまく行かない時には抵抗をショートさせてモーター端子間の電流を増して対処する、といった運用方法です。レール間はLEDと1/4W 1kΩの抵抗で結ばれ、ちゃんと走行用DCC電流が供給されているかを表示しています。常時点灯している訳ではありませんが、非常に短時間で明滅する(消灯時間は最長で9.9ミリ秒)訳ですから、これで充分なのでしょう。
ピュアアナログアダプタの製作

先の記事中で言及したピュアアナログアダプタを作りました。回路や部品定数は先述の通り、ゆうえんさんの記事通りとしました。
回路は4穴Dタイプ(47×36mm)の片面ユニバーサル基板上に実装し、入力側と出力側それぞれにKATO製コネクタを付け、配線内に簡単に挿入出来る様にしました。
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2025年7月7日 6:58 PM | 投稿者名: treasure
16.5 mmゲージから12 mmゲージに改軌したBStB Ce2/2ですが、DCC化するために色々考えを巡らせています。御陰で3年近く工作が停滞してしまいました。

この動力装置は電線を使うことなく、集電ブラシの一部を伸ばし、モーター端子に接触させることで通電を行っています。大量生産品には良くある方法ですが、これにDCC関係の配線を割り込ませようとしますと、ちょっと知恵を絞る必要が出てきます。
まず問題になるのが、DCCデコーダーからのコードをモーターに結線する方法です。先ず考えられるのが、ブラシハウジングにコードを直接ハンダ付けする方法です。しかし、ブラシハウジング周辺はプラ材の射出成型品でして、うっかりハンダ付けしようものなら、ブラシハウジング周辺のプラ材は熱変形し、その上ハウジング内部にハンダが流れ込みでもしたら、モーターは修復不能になるでしょう。ブラシハウジング内部では、カーボンブラシがバネで整流子に押し付けられていますので、バネが鈍らない様、加熱は可能な限り避けたいものです。
ということで、圧入されているブラシハウジングを一旦外し、内部のカーボンブラシとバネを外してから、外側にラグ板をハンダ付けして再組立することにしました。ラグ板はIMON製の「穴径φ2 大」という製品を使いました。これでも穴はちょっと小さかったのですが、丸ヤスリで少々拡げますと、ブラシハウジング端面の凸部に丁度嵌めることが出来ました。

で、これも量産品では良く用いられる方法なのですが、エッチング抜きと曲げ加工で作られたブラシは、プラ製スペーサー凸部に嵌められ、焼き止めで固定されています。問題は焼き止めが強過ぎ、固定が一箇所外れてしまったことでした。小径の樹脂ネジ等を調べたのですが中々適当なものがなく、「どうしたものか…」と苦悩する毎日でしたが、ふと、「ベースとなるスペーサーがプラ製(=絶縁材)なんだから、鉄ネジで充分じゃん」ということに気付き、折れ残りのスペーサー凸部中心に0.75 mmφの穴を開け、M1タップを立てて2 mm長の頭小ビスで固定することによって修復することが出来ました。左下が製品の焼き止め固定、右上がM1ネジで固定した状況です。しかし、ベースが絶縁材であることを忘却していたとは… 加齢で頭が固くなっているのかもしれません。

ということで、NMRAの8ピンソケットを取り付けてみました。集電ブラシとモーター端子の接触をどうやって絶つかを、テープを巻くとか色々考えました。集電ブラシからモーター端子へ伸びる「腕」を切り詰める、という解決策もあろうかと思いますが、どうもこの「腕」は、焼き止め部を含めた「3点支持」を形成することによって集電ブラシの安定化に貢献している様な感じがしますので、切断は避ける方針で検討しました。色々考えているうちに、「ブラシから伸びている腕にDCCデコーダーへの配線をハンダ付けして、ショート防止の熱収縮チューブを被せれば、それで絶縁できるのでは…」ということに気付き、写真の様にやってみました。8ピンソケットにはアナログ制御での試運転に備え、KATOのハノーバーから外したショートピン(1-7-8ピン間と、3-4-5ピン間を結んでいます)を挿してあります。これらの作業中に、ブラシの焼き止め固定部が2つ外れてしまいました。こうなると4箇所中3箇所が外れたことになり、もはや信頼性皆無ですので、未だ無事な1箇所を含めた残り3箇所もM1ネジ固定に変更しました。プラ完成品のDCC化は、この様な手戻り補修作業が頻発して、どうしても捗りません。
まぁここまで終了させてボディを被せてみたのですが、小さな車内にNMRA8ピンソケットがちょっと無視できない存在感を発揮しています。うーん、色々なデコーダーのテストベッドにしようと考えてNMRA8ピンソケットを付けたのですが、ちょっと頂けません。デコーダーは薄いものを直接結線することにしましょう。
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2025年6月4日 6:10 PM | 投稿者名: treasure
安価かつ小型な動力車用デコーダーとして利用しようと考えているKATO製EM13デコーダーを、リード線のハンダ付け等の加工を施す前にテストするアダプターを作ってみました。

弊社で使用しているLoy’s Toys製デコーダーテスターには、最も古典的なNMRA Medium Interfaceソケットが備わっていますので、適合プラグの1、4、5、8番ピンからNMRAのカラーコードに従ったAWG30程度のリード線を引き出し、先端に1.5×0.3 mm程度の真鍮帯材を12 mm位に切り出した接点をハンダ付けしておきます。ハンダ付け箇所は小径の熱収縮テープで保護しておきます。慣例に従い、1番ピンには白色塗料でマーキングを施してあります。

そしてこの様に、EM13デコーダーから伸びている「脚」を上下から、赤/橙、黒/灰のコードで挟むことで接続します。帯板とデコーダー基板はその上下から、木製クリップで挟んで固定します。この状態でDCCプラグをDCCソケットに差し込めば、テストすることができます。

挟んだ部分を基板断面方向からみた様子です。上下の端子は、基板と熱収縮テープの厚みで絶縁されています。
この状態で端子をシリコンチューブ等で固定できれば、EM13を無加工でDCCフレンドリーではない車輛に搭載できるかもしれません。
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2024年10月20日 8:09 PM | 投稿者名: treasure
2024関東合運で発生したトラブルといえば、立ち上げ時にD101内蔵のブースターが異常動作し、未だ線路電源を入れていないのに留置中の動力車が暴走したことでした。数回この現象が発生し、「これは電解キャパシタの液漏れか?」と思いまして、立ち上げの際にD101から線路への給電ケーブルを外すことにしたところ、異常動作しなくなりました。
こんな事象は初めてでしたので、つらつら考えてみますと、D101の給電区間に動力車を大量(6輌載っていました)に留置して立ち上げたのは初めてだったことに気付きました。「これは突入電流の所為かもしれないなぁ… スイッチか抵抗を入れる必要があるなぁ…」ということでKATO製品を調べてみますと、「給電スイッチ」という製品がありました。求める機能そのものの製品ですので、次回運転会迄には導入し、立ち上げ時にはD101からの給電を物理的に遮断し、動作安定後に接続する様運用したいと考えています。
キャパシタの液漏れについては、過去に発生して交換した旨の報告(web記事)がありましたので、D101の底蓋を開けて確認してみました。狭い隙間から覗いた結果、防爆弁の開放や基板の汚損、臭気は確認されませんでした。未だ大丈夫な様子です。
閑話休題、関東合運も終了しましたので、12mmホイホイの製作を再開します。手始めに塗装を剥離した名鉄モ510を再塗装したいと思います。

入手したモ510のパンタをよく見ますと、碍子が上下反対に組まれています。またパンタそのものも、うまく上昇してくれません。碍子は一旦外して上下反転させるとしてパンタを観察しますと、どうも台枠が歪んで上窄まりとなっていて、上昇が阻害されている様子です。

これはもう、姑息な手段では矯正不能ですから、温めてハンダ付けを緩めて主軸と碍子を外し、台枠単体にしてから歪みを矯正して組み直しました。ハンダ鏝を持ち出したついでに、中心から外れた位置に付けられていたシューの位置も修正しました。ご覧の通り、上昇位置で、ちゃんとした格好で止まる様になりました。別口で入手してあった予備の同型パンタもあったので気楽な作業でしたが、もう新品で入手することが不可能なパンタですので、復旧することができて何よりでした。

欠落後に取付孔が拡大された車側表示灯は、裏側から真鍮小片を当ててハンダ付けして塞ぎました。ちょっとでも下にずれると窓枠が嵌らなくなり、上にずれると孔が塞がらないという、中々シビアな位置関係になっていますが、何とかうまく行きました。写真では、下が少し空いていますが、ここには窓枠上端が顔を覗かせます。こうして出来た丸い凹みに塗装後、直径1.5 mmの薄い赤レンズ(エコー#2681)を嵌めて、車側表示灯に見立てる計画です。
これで一応、車体の修理は完了しましたので、塗装に移ります。赤白塗り分けの急行塗装は映えて格好良いのですが、塗り分けがちと面倒なので、今回は赤一色としてみます。塗装では、台車やステップ、フェンダー等も黒色から灰色にしたいですねぇ…
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2024年7月15日 3:36 PM | 投稿者名: treasure
Desktop Stationさんが製造・販売している「DSairLite」というDCCコマンドステーションキットを組み立ててみました。

組立前の基板です。上がメインボード、下がメインボード裏に固定するRaspberry Pi Pico Wです。で、左が組立状態での表側、右が裏側です。キットと言いつつ、メインボードに組み付ける部品はラズパイを含めて6個、そのうち取付方向に注意する必要があるものは47uFの電解キャパシタのみですから、先に組み立てた「スマイルライター コンボ-P」よりも気楽に組むことが出来ました。
入手したのは量産品第1ロットで、Raspberry Pi Pico Wにプログラムが書き込まれていません。そこで組み立てる前にラズパイにプログラムを書き込み、正常に書き込めることを確認した後、組付けました。書き込みは、Webページで公開されているDSupdateというソフトウェアで簡単に済ますことが出来ました。
ラズパイのハンダ付けに際し、双方の全パッドに予備ハンダを施したのですが、その厚みが邪魔になってハンダ付けがやりにくくなってしまいました。予備ハンダは四隅のパッドのみにするか、それともなしでパッドの隅からハンダを流したほうが宜しい様に感じました。

全部品を組み付けた後、ハンダ付け箇所を点検・補修して(ハンダ付けするところは57箇所で、中々の数です)通電してみたところです。ACアダプタには製造・販売元から推奨されているLTE10UW-S3-BS01という、15V 0.8Aのものを使用することにしました。もっと高電圧大電流のACアダプタも使用できるのですが、弊社所属の小型車輛ならばこの程度で充分、という判断です。

フィーダ線はコネクタに、KATOの給電側プラグのコネクターピンに0.8 mmφの燐青銅線をハンダ付けしてネジ止めして一体化させ、KATOのフィーダーを直接接続できる様にしてみました。左側に写っているのは、給電側プラグのコネクターピンを抜くための工具(エンジニア製SS-31)です。

全てを組み上げて試運転です。15個あるボタンは、非常停止にも使うPWRボタンを赤、走行前に使うMODEボタンとENTERボタンを黄、走行中に使うFNCボタンと<>ボタンを灰とし、残るテンキーを白に色分けしてみました。使ってみますと、非常にコンパクトでありかつ、アナログ車輛用のPWMアナログパワーパックとしても機能しますので、「これさえ持っていけば何でも運転できる」という、非常に使い勝手の良い制御機器になりました。欲を言うならば、ピュアアナログアダプタを作っておいて、完全DCでも運転できる様にしておきたいものです。回路としては、ゆうえんさんの記事が参考になると考えています。
ところで、安価で供給されるキットは需要が少なく、今夏で販売終了とのことで、これに伴い、色付きボタンの別売もなくなってしまった様です。残念ですが、タイパ重視の昨今では仕方ないのでしょう。まぁそれに伴い、製品コンセプトが「エントリー・廉価機」から「スタンダード機」に変更される(それに伴い価格も上昇、との告知があります)とのことですので、期待しています。
カテゴリー:DCC, 工作, 江東電気軌道(KDK) |
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