江東電気軌道(KDK)
2026年6月24日 7:50 PM | 投稿者名: treasure
京王2917号の修理と改良ですが、前半では動軸ギアの交換とリパワリングを実施しました。後半では付随台車に集電ブラシを増設し、全輪集電を目指します。

使用する集電ブラシは、PU101の純正交換部品を加工して使用します。幅3 mm長さ4 mmの0.2 mm厚洋白板で横への張り出し部を延長し、そこにブラシとして0.5×0.15 mmの燐青銅帯板をハンダ付けします。モーターへの配線取付部は1.0×0.15 mmの燐青銅帯板で延長し、床板に貼り付けたPCBに接触させてモーターへの回路を構成させます。写真下側が平面のまま加工を済ませた状態、上側がそれを曲げて成形した状態です。平面状態で取付部下端からブラシ上端までの距離は、玉電用のものに倣って7.5 mmとしました。このハンダ付けは、方眼紙の上で行いますと焦げ付きにより仮止めされますので、寸法と直角を容易に出すことができます。この辺は昔、「鉄道模型趣味」誌に書かれた通りです。尚、写真では前後に弓型の集電ブラシが付いたままですが、これがあると取り付けに支障がありましたので、最終的には切断除去しました。

上の集電ブラシを付随台車に取り付けた状態です。台車から上に生えているブラシは、センターピン両側で床下のPCBを摺る様にしましたが、この車輛にはちょっと前過ぎました。そこでこの後、前側のループをちょっと小さくして、もうちょっと後ろでPCBを摺る様に調節しました。集電ブラシについては上の写真での裏側がみえていますので、どの様に重ね合わせて継いでいるのかが解ると思います。

動力台車と付随台車を結線した状態です。これを走行ユニットとして上回りにネジ止めします。リード線は特に隠すこともしないで剥き出しのままです。この写真では隠れていますが、付随台車上側の床板下には、0.5 mm厚PCBから切り出した通電板が両面テープで接着されており、ここにリード線がハンダ付けされています。使用テープはできるだけ薄いものを吟味しましたが、意外にもニチバン製の一般タイプ、「ナイスタック」が厚さ0.086 mmでしたので、これを使用しました。どうも強力になるにつれて厚くなる傾向がある様です。

PCBとコードの収まり具合がこちらです。パンタ/動力台車側を前とした場合、床下機器左側に前から後ろまで貫通する隙間があり、ここにI社から発売されている「耐熱リード線」が2本、並列で収まります。黒色ですと見えても床下配管とも見えますので、「これで良し」ということにしました。
リード線は分解時に脱着する必要があるので、床板に二箇所でテープ止めしてあります。薄く柔らかく、かつ脱着できるテープを色々考えたのですが思い浮かばず、とりあえずマジックインキで黒く塗ったマスキングテープを使用しています。当初アセテートテープを使用しようかと思ったのですが、ちょっと厚く、経年変化で剥がれてくるということなので避けました。メンディングテープも小面積ではやはり剥がれてきた経験がありますので、何かうまいテープが見つかる迄はこれでいこうと考えています。
前回書いた「天啓」というのは、1)コードをそのまま床下に這わせても、床下配管に見えるだろう、ということと、2)付随台車と床板の間をブラシ接触で通電させれば、隙間を這わせた細いリード線で結ばなくても通電できる、という2点です。今後の分解整備時には、付随台車を完全に分離することが可能ですので、リード線直結と比較して作業能率向上が期待されます。
とりあえずこれで、京王2917号の「独り歩き(単行運転)対策」は完了です。
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2026年6月21日 10:13 AM | 投稿者名: treasure
玉電200型は好みの車輛でして、学生時代(組説をみると1985とあります)に乗工社製キットを入手して組み立てかけました。しかし、キット付属車輪の厚みが2 mmしかなく、「これではまともに走らんなぁ…」ということで、途中で投げ出してしまいました。
その後入手した完成品の車輪厚は2.4 mmでしたので、何とか走りそうだったのですが、色々な事情で殆ど走行させることがありませんでした。しかし今回、乗工社玉電シリーズの復活整備を何輌かに実施しまして、「これもそろそろ何とかしてやらねば…」ということで、走行性能改善工事に着手しました。

これが走行させる際の最大の問題点です。1軸中間台車の前後に車体との接続ピンがありますが、この様に車体が左右にずれると中間車軸があらぬ方向を向いてしまいます。で、この様な状況は、動力台車が最後方に位置する推進状況では容易に発生すると考えられます(この記事の追記1参照)。ここにおいて床板から出ている支えの幅が5 mmですから、約2 mm強のずれでこんな状況に陥るということが示されています。
これを避けるために、製品には中間台車の復元装置が付いています。前期型(キット)は線バネで左右動を抑え、後期型(完成品)では中間台車前後をコイルバネで引っ張って角度を制御しようとしていますが、いずれもカーブ通過時に2車体を真っ直ぐにしようとする力が発生する弊害があります。ちなみに実車の構造は中間車軸直上に両車体共通のピンがあり、中間台車は各車体それぞれとリンクで結ばれ、中間車軸は車体間角度の二等分線に従う様制御されています。見た感じ復元装置はありません。

そこで実物通りに中間車軸の向きを制御しようというアイデアが昔、Niftyの鉄道模型フォーラム(鉄道フォーラムの時代だったかもしれません)に投稿されました。即ち、この写真の様に両車体から腕を出して1つの関節で連結して左右のずれを抑制してしまえば、中間車軸は凡そ車体間角度の二等分線に従う様になる、というものです。ここで注意しなければならないことは、車体が折れ曲がった場合、新設した関節ピン孔の位置が直線での位置と比較して少々ずれる、ということです。これについて作図で確かめると、半径160 mmのカーブ上で車体が30°程折れ曲がった場合でも、ずれは0.25 mm程に収まる、という結果でした。つまり、関節のクリアランスを考えると、ほぼ問題にならないレベル、ということになります。発案者がここまで読んでいたかは定かではありませんが、いずれにせよ、「お見事!」と感嘆するしかありません。どなたの発案だったのかは最早忘却の彼方ですが、厚く御礼申し上げます。

で、このアイデアを如何に実装するか考えた結果、この様に連結面妻板下側にある、幅6.0 mm、高さ2.1 mm程のスロットに収めればいいのではないかということになり、早速作ってみた結果がこれです。実装手法は不明乍ら、先行実装者の方から「このアイデアは有効!」という感想も頂いておりましたので、この方針で進めようと思っています。参考までに材料と作り方を書いておきますと、金具は0.5×5.0 mm真鍮帯板の3枚重ねです。動力車側は最下層を突出させ、直径1.0 mmの真鍮線を銀ロー付けで立ててピンとし、付随車側は最上層を突出させ、そこに1×2 mmの長孔を開けてあります。金具と車体妻面の交差部には1.0×0.5 mmの真鍮帯板を巻き、車体とのずれをなくしています。ピンと車体端の間にある孔は、接続ピン先端を避ける孔です。この様に低い位置、則ち両車体と中間台車の接続ピン近傍にて両車体を結べば、ローリングの自由度への制限も少なそうです。
ここまでの検討と部品製作には、寸法取りと現物合わせの両面で、途中で投げ出してしまったキットの存在に大きく助けられました。今後の工事には、キット部品も大いに活用して(既に集電ブラシは8輪集電化のために流用することが決まっています)進めようと思っています。「以て瞑すべし」といったところでしょうか…
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2026年6月18日 10:26 AM | 投稿者名: treasure
在籍している乗工社製京王2917号もギアが割れていて走行不能ですので修理します。弄るついでにリパワリングと全輪集電化を実施します。PU101の純正(?)対策部品を使用してリパワリングしますとウォームが洋白製となり、真鍮製のヘリカルギアとの間に良好な噛み合わせが期待できます。
この模型はダミーの連環連結器を装備していますので、運転時にはどうしても「独り歩き(単行運転)」となります。従って安心して運転するには全輪集電化が欠かせませんが、この上回りはほぼ一体に組み上がっています。ということは全輪集電化に際し、動力台車と付随台車を結ぶリード線をどう通すか?が問題となります。そこで長年折に触れて考えてきた結果、ついに天啓を得ましたので、それを実装してみようと思います。

修理改良に先立ち、床板取付ネジの補強を実施します。車体側の床板は目測0.5 mm厚、そこにM1.4のネジが切られているのですが、ピッチが0.3 mmですので力のかかる部位としてはちょっと感心できませんし、既に4ヶ所中1ヶ所で抜けそうな気配がしています。全輪集電化加工でかなりの回数脱着することになりそうですので、この際、ネジ孔を補強することにします。
先ず中央にM1.4ネジを切った0.8 mm厚、直径4.5 mm程の円盤を作ります。それを写真のように、車体下側からネジ込んだ長ビスに上からネジ込みます。その後ピンセットで反時計方向に回転させ、円盤下面と床板上面を軽く接触させた後、横から接着剤を毛細管現象を利用して流し込んで固定します(円盤を床板の縁からちょっとはみ出させていることがミソです)。接着剤は円盤が外れたり、回転しなければ充分ですので、ここでは黒色ラッカーを使用しました。

動軸ギアを玉電80型と同じ方法で交換した後、モーターをキドマイティからIMONミニモ-ターへ、webページの説明通りに交換しました。交換してみますと、モーターホルダーの横幅が輪軸のバックゲージと略同一で、走らせているとちょっとしたことでショートします。そこで、この写真にある通り、片側0.5 mm程ヤスって接触を防止しました。気付いたのは試運転時で、モーターホルダーをフレームに接着してしまった後でしたので、集電ブラシをマスキングテープで養生しつつ作業しました。きちんと固定しないでヤスリ作業をしましたので、向かって右側は直線がきちんと出ていません。見た目は余り宜しくないのですが、「とりあえず実用に問題なし」ということでOKとしました。

モーター交換後の動力台車です。元々の集電ブラシにあるモーターへの通電用腕は根本で切断し、リード線を直接ハンダ付けしてあります。集電ブラシは既にプラフレームに接着されていますので、ハンダ付けに際しては周辺を水で濡らしたティッシュペーパーで囲み、断熱に万全を期して臨みました。
キャブはそれなりに大きいので、フライホイールを付けることができます。直径10 mmと12 mmのものを仮り組みして検討した結果、ここに写っている直径10 mmのものを使用することにしました(直径12 mmのものを付けると、動力台車のピッチングを制限します)。モーターのラグには更に、付随台車からのリード線を結びますので、フライホイールの固定はその配線後となります。またモーターがキドマイティのままですと、付随台車からのリード線を結線できません(集電ブラシにハンダ付けすれば可能ですが、台車やブラシの追随性が悪化しそうです)ので、このことからも全輪集電化にはリパワリングが必須といえそうです。
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2026年6月14日 3:39 PM | 投稿者名: treasure
玉電80型の動軸ギア交換、前半の分解に続き、後半は組立です。

ギアをよく見ますと、片方の軸孔には面取りがされており、中間連動軸アセンブリを組む際には、こちら側から軸を圧入したものと考えられます。そこで、こちら側から車軸を圧入します。先に記した通り、ポリスライダーワッシャー2種2枚を挿入した後、ギアをできる限り手で押し込みます。その後NWSL社製の8.75 mm径車輪(絶縁車輪のみ使用してしまったので、非絶車輪と車軸が余っています)を押さえ金として、マシンバイスで圧入します。バイスの口金に支障して直ぐ限界を迎えますが、ここではそこそこの精度で作られているマシンバイスで、ギアの厚み全部を段付き車軸の太い部分まで振れなく押し込むことを優先します。ギアと車軸の間に隙間の様なものが見えるのは、ギア端面の面取りが影響しています。また圧入する際には、マシンバイスの押し込みネジと車軸ができる限り一直線になる様注意します。

工具をThe Pullerに変更して更に押し込みます。押さえ金として使用している8.75 mm径車輪の軸径は3/32インチ(≒2.38 mm)ですので、軸孔2 mmのギアをうまい具合に支持してくれます。ギアはローレット加工位置まで粗く押し込んだ後、車輪裏面とギア端面間が6.4 mmになる様に管理しつつ圧入します。

ギアの位置が決まったら、更にポリスライダーワッシャー2種2枚を挿入した後に、ギア交換のため外した車輪を圧入します。その際はギアと同様に、できる限り手で押し込んでからマシンバイスで圧入します。バックゲージは14.8 mmとなる様管理します。
最後に、ギアを交換した輪軸を車輛に戻して修理完了です。分解したついでに、中間連動軸(修理用に頂いたものと同じ部品)ギア両側に、0.3 mm厚の真鍮ワッシャを挟み、ギアが偏らない様にしてみました。試運転してみますと、快調な走行を取り戻せた様です。来るイベントではこれも走行させることが出来るでしょう。むしろ、玉電64号と151号はギアがプラのままなので、何時割れて走行不能になるか判りませんので、どちらかというと、こっちが本命なのかもしれません。
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2026年6月9日 9:27 AM | 投稿者名: treasure
先に記した通り、集電ブラシを車輪裏側を摺るように改良してみました。

新たに製作した集電ブラシです。集電ブラシの接触位置は、車輪裏側にボスが出ていることから、多少車軸に近くても支障にはならないと踏み、ボスぎりぎりまで中心に近付けてみました。ブラシそのものは、別所属クラブで得た知見から、2列(0.5×0.15 mm燐青銅帯板×2)としてみました。何でも、ブラシ付DCモーターのブラシ先端には切れ目が入っていて、複数列になっているそうです(そうしたほうが通電効率が良くなるそうな…)。しかし、細い帯板先端に切れ目を入れるのはちょっと難しいので、根本から2列にしてみました。

これまで使用してきた集電ブラシです。先端をループにして折り返し、できるだけ柔らかく接触させる様に工夫してありましたが、車輪外周にて接触していることから限界があった様です。

新たに製作した集電ブラシを取り付けた状況です。電線は従来からのものを再用しましたので、脱着時の熱で被覆が少々傷んでしまいました。こちら側は非絶縁側なのでこのままとしましたが、反対側の絶縁側は、支持腕裏面に方眼紙小片をエポキシ系接着剤で貼ったついでに、接着剤を盛って絶縁を補強しておきました。
試運転してみた結果ですが、感覚的には少し乍ら惰行する様になった印象、則ち走行抵抗が減少した様な印象があります。これは、集電ブラシの接触位置が車軸に近付いた効果かと思われます。また、最初2回程、集電不良で突っついた後は、すんなり起動する様になりましたので、集電ブラシを2列にした効果はそれなりにあるのではないかという印象です。まぁこれらは、もうちょっと走り込ませてみないとはっきりしないかと考えています。
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