江東電気軌道(KDK)

ラケット型リバースループの修繕


クラブ運転会と関東合運に備えて、ラケット型リバースループを修繕しました。

q型リバースループでは、線路交差部にDual Frog Juicerを仕込み、フログ部分の極性切替とリバースループ内の極性切替を行っていますが、ラケット型リバースループでは線路は交差していませんので、カーブ途中に極性切替回路を仕込んでありました。ところがこの回路、使用しているうちにうまく動作しなくなり給電フィーダーにDual Frog Juicerを挿入して運用する状況でした。これではDual Frog Juicerを都度挿入せねばならず、運用上不便ですので、修繕することにします。


組み込んであったMRC製のAuto Reverse Moduleを撤去して直結運用中の現状です。運転会の席上における応急処置のまま、コードを結んでテープで押さえただけでして、感心せざる状況です。


左が製品のままのMRC製のAuto Reverse Module、右がそれを厚さ10 mmのホイホイボード下に収まるように改造したものです。改造の内容は、縦置きされているリレーを横置きに接続し直し、厚さ方向で支障するキャパシタ2つも同様に横置きに接続し直す、というものです。

この製品、単独のリバース区間自動切替装置としては最初の量産製品だったと記憶しています。これ以前はそれ用に設定したブースターを使用するか、入口と出口に検出区間を設けて、その結果をリレーで処理して切り替えるLoy’s Toys製ARSC(Auto Reverse Section Controller)しかなかったかと思います。

ラケット型リバースループに組み込む以前に、同様の改造を施した先代製品(同品番ですが、部品の配置が異なっていました)を標準ホイホイの左亘線フログの切替に使用しており、こちらはかなり長期間運用しておりますが、トラブルなく動作し続けています。


今回使用したのは、製作を中断した標準ホイホイ右亘線に使用するために、ラケット型リバースループ用のものと同時に改造したもので、同一バージョンからの同手法での改造であったため、従来の設置スペースにぴったり収まってくれました。

前回は切替回路基板そのものをコードの中継基板としても使用するという怠慢ぶりを発揮していましたが、これが基板への不要な加熱に繋がり、動作不調へと繋がったのではないかという反省から、今回はちゃんと中継ラグ板を介して配線しました。といっても節約を社是とする弊社ですから、縦型12極の廃品を二分し、1列平型4極に改造して使用しています。

今回の基板も勿論、設置する前に正常に動作するかの確認を実施しています。出力13.8V 1.35AのACアダプタを接続したNCE製Power Cabでは異常なく動作したのですが、出力15V 0.8AのACアダプタを接続したDesktop Station製DSairLiteではうまく動作しませんでした。DSairLiteの保護回路が敏感過ぎるのか、AD520が0.8A程度では短絡と認識しないのか… まぁ能力的にも、DSairLiteを運転会のメインに使用するのは控えたほうがいいのでしょうねぇ… それと同時に、Tam Valley DepotのFrog Juicerシリーズではどうなのか? ちょっと興味が湧いてきました。

2025/9/21総会および運転会のご案内


グループ軌道線事務局

★グループ軌道線MTCC総会および運転会のご案内
【日時】2025年9月21日(日)

【場所】中央区立晴海区民館(東京都中央区晴海一丁目8番6号 晴海トリトンスクエア内 3号室(洋室))
・都営大江戸線勝どき駅下車A2a出口 徒歩10分
・都バス「晴海トリトンスクエア」バス停下車 徒歩3分
「都05東京駅丸の内南口-晴海埠頭」
「都03四谷駅-晴海埠頭」
・都バス「晴海区民館前」バス停下車 徒歩1分
「東15甲・乙東京駅八重洲口-深川車庫」
「東12東京駅八重洲口-晴海埠頭」
「錦13甲・乙錦糸町駅-晴海埠頭」
・有料(400円/時・最大1,600円)ですが、駐車場があります。
地図はこちらです。

【スケジュール】

  • 集合時間は自由です。総会開会時間までに、ご都合に合わせておいでください。

      9月21日(日)9:00 ~ 16:00     運転会
             16:00 ~ 17:00    年次総会

【運転会について】

  • 参加費:無料(総会併催のため)
  • 今回の運転会は、10月の関東合運で使用する予定の、ホイホイの連結試験を兼ねています。
  • 参加者におかれましては、Digitrax のDCC スロットルと分岐コネクターをご持参頂けると助かります。

【総会について】

  • 総会出席予定者は「総会出席票」を、欠席予定者は「委任状」を、必要事項ご記入の上ご返送下さい。総会成立のため、ご協力をお願いします。

【総会議題】

  • 会計および活動報告
  • 今後の活動方針
  • その他

【その他】
総会成立のため、長期会費未納者・長期音信不明者については退会等の措置を講ずる場合があります。

「総会出席票」または「委任状」返送については、郵便の他、電子メールをご利用ください。
☆ 電子メールをご利用の方は、捺印を不要と致します。
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【出席の方】
総 会 出 席 票

私は、2025年9月21日に開催される「グループ軌道線総会」に出席します。
尚、本票提出後、都合により当日欠席する場合は、    氏を代理人と定め、議決権を行使することを委任いたします。
上記に代理人を定めない場合は、議長に委任いたします。

2025年  月  日

氏  名:           印
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【欠席の方】
委 任 状

私は、    氏を代理人と定め、2025年9月21日に開催される「グループ軌道線総会」において議決権を行使することを委任いたします。
上記に代理人を定めない場合は、議長に委任いたします。

2025年  月  日

氏  名:            印
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Pacific Electric 100 Series Local Car (8)


電装品に引き続き、トロリーカーの肝となる、ポールとポールフックの製作です。


使用ポールはMiniatures by Eric製のUS13、HTP4を使うことにします。製作者のEric Courtney氏が2024年5月に亡くなられたということなので、今後の入手は市中在庫のみということになります。入手品は写真の通り、先端がトロリーホィールになっていますので、購入しておいたトロリーシューに交換して実車と揃えました。

トロリーピボットは、在庫していた米国の標準品を使用します。Double Truck Birneyでは、国産の外径2.0 mm、内径1.5 mmのシャフトブッシュに、外径1.5 mm、内径1.0 mmのパイプを挿入して使いましたが、このモデルでは屋根に空いた孔径がちょっと小さく、米国標準品でないと挿入できません。部品が在庫していて幸いでした。


ポールフックの製作です。「へ」の字に曲げた真鍮線を斜め支柱として、垂直に支持した主柱に沿わせ、接触点を銀ロウ付けしました。その後、主柱高さや支柱長さを現物合わせで切断し、主柱上部に真鍮線をもう一本水平に銀ロウ付けしてポール引掛部を作りました。使用した銀ロウは、新富士バーナーの粉末銀ロウです。材料は全て0.4 mm径の真鍮線ですので、銀ロウ付けしないと強度が保たないと思います。高温で付けますのである意味(ちゃんと固定すれば、の意味)、ハンダ付けよりも容易かと思います。また、短い材料を付ける場合には長いまま付けた後に短く切り詰める様にすれば、楽にロウ付けできます。


ポールと、ポール引掛部を成形したポールフックを仮組してみます。拡大するとちょっと粗がみえますが、実際は小さなものですので良しとします。これでほぼ全ての部品が揃ったことになります。

都電ホイホイ右亘り(2)


前報で材料の確認を済ませた都電ホイホイ規格の右亘りの製作を進めています。


製作済みの左亘りに合わせて、ポイントのレールを切断します。後から2番目の分岐側ガードレールが載っている枕木が残っていますが、これはガードレールと主レールの間で切断・除去しておかないと、ジョイナーの嵌る長さが足りなくなります。この部分は次工程で気付き、切除しました。

ポイントはスプリングポイントとして使用しますので、トングレールの関節を少々緩め、左右に傾けただけで転換する様調整します。緩め過ぎますと通電に支障をきたしますのでテスターと相談しつつの作業となります。また、トングレールと枕木の摺動部には乾性潤滑剤を塗布して摩擦を減らします。弊社では先ずネオリューブを塗布し、乾燥後に鉛筆で研磨しています。


続いて前後方向にユニトラック軌框を接続し、レール長を微調整して位置を調整します。レールジョイナーはSHINOHARAの#83用の前後を詰めて使用しました。メーカーは違えどこのジョイナーは、ATLASのレールに問題なく使用できました。ユニトラックレールと#83用レールジョイナーの接続はここに記した様に、レール外側に0.6 mmφの洋白線をハンダ付けして隙間を埋めて行いました。前はユニトラックレールと#83用レールジョイナーをハンダ付けしたのですが、今回は差し込んだだけとしてみました。特に問題はない様です。

ベースボードのほうは、タイバー直下に操作用の長孔を開け、その両側に滑り板を接着しました。滑り板は0.5 mm厚のステンレス板から切り出し、エポキシ系接着剤で固定しました。更にトングレール関節直下には、後日関節の調整が必要になった時に備え、点検孔を開けておきました。これらの孔の側面には改めて油性ニスを染み込ませ、湿気対策としてあります。

タイバーと滑り板の間の摺動部も、トングレールと枕木の摺動部と同様にネオリューブを塗布して摩擦軽減を図っています。


レールゲージやチェックゲージをNMRAゲージでチェックしつつスパイクしていきます。調べてみますと、分岐側の突合せ部のレールゲージが狭過ぎましたので、フログ間隔を互いに拡げる様、スパイクで強引に修正しました。どうやら、曲線側主レールの曲げが少し緩かった様です。ということで、このジョイナーにはかなりの力が掛ることになりましたので、絶縁ジョイナーでは保ちそうもありません。ということで都電ホイホイは、対向給電非対応を継続することになります。

電子工作


ちょっとした電子工作をやってました。

Loy’s Toys製デコーダーテスタの修理


先に記した通り、弊社ではLoy’s Toys製デコーダーテスタを使用しています。これに備わっているNMRA Medium Interfaceソケットの接触が、製造から30年を経過したためか悪くなってきましたので交換してみました。


表面のパネルを外してみますと、パネルそのものがプリント基板になっていました。ケーブルで配線されていて、正しく結線し直すのにかなり神経を使うだろうという覚悟で取り掛かったのですが、拍子抜けしてしまいました。ということで、ハンダ吸取器やハンダ吸取線を駆使して元からのハンダを除去して不良ソケットを外し、新品ソケットを挿入してハンダ付けして修理完了です。


取り付けた新品ソケットです。
ついでに内部結線を簡単に書いておきますと、ファンクションの動作確認はコモン(+:青)と各ファンクション(-)間をLEDと1/4W 1kΩの抵抗で結び、LEDの点灯によってファンクションのオンオフをテストしています。
モーターの動作確認は逆極性に並列接続したLEDに、1/4W 1kΩの抵抗を直列に接続したものをモーター出力間に接続し、どちらのLEDが点灯するかによってモーターへの通電方向、ひいてはモーターの回転方向をテストしています。更にモーター出力間には2W 120Ωの抵抗が先の回路と並列に挿入され、モーターへの通電を模しています。
レールからの電流は、2W 120Ωの抵抗を介してデコーダーに入力されています。この抵抗は、パネル表面のジャンパー端子をショートさせることによって無効とすることが出来ます。基本的には抵抗を介したまま使用し、CV設定がうまく行かない時には抵抗をショートさせてモーター端子間の電流を増して対処する、といった運用方法です。レール間はLEDと1/4W 1kΩの抵抗で結ばれ、ちゃんと走行用DCC電流が供給されているかを表示しています。常時点灯している訳ではありませんが、非常に短時間で明滅する(消灯時間は最長で9.9ミリ秒)訳ですから、これで充分なのでしょう。

ピュアアナログアダプタの製作


先の記事中で言及したピュアアナログアダプタを作りました。回路や部品定数は先述の通り、ゆうえんさんの記事通りとしました。

回路は4穴Dタイプ(47×36mm)の片面ユニバーサル基板上に実装し、入力側と出力側それぞれにKATO製コネクタを付け、配線内に簡単に挿入出来る様にしました。