江東電気軌道(KDK)

【進捗状況】複線分岐の暫定仕上


複線分岐ホイホイのレール長を仕上げ、実際に使用できる様にしました。


表面舗装は、試運転を充分済ませて、レールを固定した後でないと、怖くて出来ませんので、先ずこの状態で1~2回、運転会で使用して、車輌通過状況を確認することにします。早速、外側カーブの通りが悪いことが判明しましたので、軌框を少々ずらしました。


レールを切断する際、誤って一箇所、短く切り過ぎてしまいました。そこで、途中のジョイナーにおいて、レール間に短いレール片を挟むことで修正しました。写真は、判りやすくするために、接続部を拡げてありますが、実際は隙間がなくなる様に押し込んであります。


これで複線分岐ホイホイは、運転会で一応使用できるまでになりました。そこで、次の仕掛品退治として、複線直交ホイホイに手をつけることにしました。レールをハンダ付けした際、4箇所のクロッシング中1箇所で、銅箔が剥がれてしまっています。無鉛ハンダなので、融点が高かった可能性もあり(体感的にはそう違いませんでしたが…)、エポキシ基板であることに甘えて、加熱し過ぎたのかもしれません。周辺にスパイクを打ち、カシメて誤魔化すことも考えましたが、予めプリント基板の予備も準備してあったこともあるので、やり直すことにしました。ということで、レールを剥がす前の姿です。

【進捗状況】複線分岐の配線


右複線分岐ホイホイの配線作業を済ませました。


先ず、ポイント駆動関係のサーボモータと基板の固定・配線を済ませました。サーボ駆動基板上のリレーで、給電を切り替えるフログへの配線も同時施工です。この段階で、ポイント用サーボがきちんと動作するかをチェックし、調整を済ませました。ちょっと基板内のハンダ付けに甘い箇所があって、サーボモータの動作が安定せず、ドタバタしたことはナイショ、です。


続いてMono Frog Juicerを固定し、レールへの配線を済ませます。Mono Frog Juicerは、裏側にスペーサとしてIMONのアセテートテープを貼り、基板の影響がない部位を、2 mm厚のスペーサで嵩上げした2 mmφのラグ板で押さえ、固定しました。基板を傷付けないよう、ラグ板の腕(?)には、ヒートシュリンクチューブを巻いてあります。当初、全方向から押さえなければならないと思っていましたが、台枠を構成する角材に一辺を当て、対辺の一箇所を押さえるだけで充分、固定できました。


配線が終わりましたので、例の如く、Docksideを使って試運転です。この車輌、重量がある上に、LenzのPower-1を積んでいるので集電不良に強く(その反面、集電不良の場合には、音が出なくなるのですぐわかる、という特性があります)、試運転の常連です。試験の結果は良好でしたので、今後はジョイント部のレールを整形し(何かあったための余裕として、ユニジョイナー一杯の長さにしてありますので、台枠面一に切り詰める必要があります)、運転会で試用してから仮止め部分をスパイクすることになります。

【進捗状況】ホイホイの仕上げ


のろのろと進捗している、ホイホイの状況です。


q型ループ分岐部ホイホイの、裏面に突き出しているスパイクを処理しています。分岐側の処理が済み、複線側の処理にかかる寸前です。鉄粉やスパイクの先端が電子回路に入り、トラブルを起こす可能性がありますので、取り付けてあるDual Frog Juicerや、配線切替用のラグ板等は養生してから作業することにします。


完成後の姿がこちらです。処理方法は、以前に述べた手法と略同等です。一部、カッティングホィールが入らず、ニッパでスパイク先端を切断した後、回転砥石をモーターツールに咥えて均した箇所もあります。この方法は、鉄粉の飛散は抑えられる反面、作業時の騒音が酷く、集合住宅等で実施するには不適当かもしれません。スパイク先端処理後に、裏面に貼付されているメンディングテープ上への鉛筆書きという、甚だ頼りない状態であった接続先のメモや、電線色の設定メモ等も、ちゃんとした(?)シールに交換して見易くしました。


q型ループ分岐部ホイホイの裏面が処理されたので(処理しないと、何かの弾みで、裏面に飛び出したスパイクの先端で指を刺し、流血騒動になります)、右複線分岐の配線にかかります。各要素を仮置して配置を検討し、概ねこんなところかなぁ… というメモです。

伊香保電車


ちょっと暇が作れたので、梅雨になる前の6月上旬に、伊香保温泉まで保存車の見学にいってきました。


伊香保の「峠の公園」に展示されている、東武鉄道伊香保軌道線の27号電車です。12年程前、渋川市石原の平形医院眼科に保存されている時に、友人と訪問したことがありますが、その後、名古屋市電の旧台車と組み合わされて復元されたので、改めて見学することにしました。


前回見学時にはなかった台車です。柵もなく、自由に見学できるブリル21E単台車として貴重な展示です。現役時代は平坦地を走っていた台車ですから、急勾配の伊香保電車で装備されていたレールブレーキは装備されていません。尤も、伊香保27号車の現役時代の記録には、台車は「独乙シーメンス、シエッケル会社製」*1とあるそうですので、その辺の違いがあるのかもしれません。


貴重な機会ですので、台車内部を覗いてみました。モーターは失われていますが、モーター釣り掛け用の横梁や、ブリル21E単台車の特徴といわれているX型の「ダイヤゴナルステー」*2が残されています。

*1 花上嘉成(2014), 蘇った東武鉄道 伊香保軌道線 27号電車, レイル(91).
*2 吉雄永春(1989), 台車のはなしⅥ, レイル(24).

Pacific Electric “BLIMP”


5月19日の工作会で、Pacific Electricの“BLIMP”のDCC化にむけ、内部を探ってみました。


床板を外してみると、側板は一枚板で、補強のアングルはありません。それは製造者の好みの問題とか、塗装済完成品である故の部品点数、工数削減の影響があるでしょうから、特に問題ではないと考えます。問題は、床下固定の2.0 mmφネジを緩める際、回転に対して周期的なトルク変動を感じた点です。これは、雄ネジ、雌ネジの精度が出ていないことを意味します。そこで、ネジは国産品と交換することにしました。交換した結果は良好でしたので、雌ネジは問題なかった様です。


モーターと伝動軸ですが、アライメントが出ていません。写真では判りませんが、配線ハンダ付時けに飛散したフラックスを処理していなかったのか、モーター端子周辺が粉を吹いていました。この辺は、CRC 2-26を綿棒に染ませて清掃しました。配線を固定しているセロテープも経年劣化が著しく、アセテートテープに替える必要があります。デジタル化するのであれば、配線はもう少し細くてもいいと思います。

モーターは一見、どこにでもある様なオープンフレームモーターで、長軸フライホイール付でしたので、伝動シャフト長の関係から、これは交換しないでそのまま使うことになると考えていました。


これが、問題のあった部品一覧です。先ず伝動シャフト。シャフトとジョイントの固定が緩く、クルクル回ってしまいます(写真は緩いことを示すべく、ずらしています)。これはジョイントの位相云々以前の問題ですので、適当なエンドウ製Uジョイントと交換することにしました。そうするとモーターも交換することが可能になるため、悩みが増えました。

次は以前修理したポールです、絶縁ブッシュを挟んで、屋根に開けられた孔に1.4 mmビスを通し、下からネジ止めして固定する構造なのですが… 絶縁ブッシュの嵌る部分の直径が2.6 mm、屋根の孔の直径は2.4 mmと、入りません。おまけに、このポールの太さでは、ポールフック先端と屋根の間をくぐらせることが出来ません。つまり、ポールを下げた状態で固定できないということです。ということで、屋根の孔には1.5- 2.4 mmのモーターシャフトブッシュを挿入し、Custom Traxxから発売されているポールを使用することにしました。

最後は左端の赤いパーツです。実車写真を色々見てみますと、妻窓室内側に掲出された運行番号表示器(?)のようです。実車では、番号の背景は黒色なのですが、ここでは赤一色です。TAMIYAのエナメル塗料で色差しをする必要がありそうです。

当初は、単純にデコーダを載せて配線すれば、お邪魔カーになると目論んでいましたが、そうは問屋が卸してくれない様です。

あと、一応、NMRAゲージで輪軸を検査してみますと、S-4.2はクリアしていました。手を入れればちゃんと走る希望がみえてきました。