工作

【進捗状況】複線分岐の制御装置

1.ポイント切替用回路


ポイント切替用回路を組み上げ、DSO Nanoという超小型オシロスコープで動作チェックをしました。使用するデコーダ(DS51K1)も動作を確認すると同時に、アドレスを以前と同じ「22番」に設定しました。これは、「アドレスをちゃんと設定できるか?」のテストを兼ねています。写っていませんが、サーボも単体で、Hobby King製サーボテスタで動作を確認しました。残るサーボ取付板を0.5t真鍮板から作れば、部品は全て揃うことになります。

2.各給電区画への給電区分


ポイント制御装置の製作と並行して、複線分岐の各給電区画への給電区分を整理してみました。左が並行給電、右が対行給電(所謂「ドッグボーン配線」)、上から「直行直帰」、「直行曲帰」、「曲行曲帰」状態を模式的に図示したものです。「曲行直帰」状態では衝突必至ですから、これは考えなくても大丈夫でしょう。これで、「どの区分にどの極性を結線すればよいのか?」を整理してみました。

3.給電区分の整理


一覧表を作って整理した結果です。
並行給電では、5と6、7と8はリバース区間になりますので、それぞれ別の、ペアとなったリバース区間とするのが適当でしょう。A~Fのうち、B、D、E、Fは、「直行曲帰」で車輛が通過しませんので、この状態を除いて合致する箇所と同じ給電区分とします。AとCはフログで、他所とはちょっと違った給電が求められますので、それぞれ別々のリバース区間とします。結論として、NとSという直接給電区間、RN1とRS1、RN2とRS2という2ペアのリバース給電区間に、RS3とRS4という単独リバース給電区間が必要ということになります。
対行給電では、5と6、7と8は直結で構わないので、AとC、DとEをリバース給電区間にするだけと、大幅に単純化されます。フログ部分なので、AとC、DとEを連動させる必要もなさそうです。

4.各給電区分への給電方法

以上から、並行給電の場合はDual Frog Juicer×2+Mono Frog Juicer×2、もしくはHex Frog Juicer×1、対行給電の場合はMono Frog Juicer×2を経由して給電すればよいことになりますが… 費用に大差があるのが問題です。全体的に対行給電方式への切替中なのに、並行給電方式のために約3倍の投資をするのは不合理のような気もします。とりあえず、並行/対行給電両用の配線としつつ、Mono Frog Juicer×2を使って対行給電回路のみを仮設、という方向でいくことになりそうです。

【線路工作】進捗状況

業務の繁忙期にもかかわらず、池袋の「鉄道模型芸術祭」に、知人のお手伝いで参加したりと忙しい毎日でしたが、現在のプロジェクト進捗状況を報告します。

1.複線右分岐の再生


線路は仮止めでも、走行させることはできるので、ループ線をちょっとお休みして、電子工作に勤しんでいます。複線分岐に使うポイント切替用回路を、これまでのものと同じ回路、同じ部品、同じ構成で、ぼちぼち組んでいます。リレー(G6KU-2P-Y)は、幅方向はユニバーサル基板の2.54 mmピッチに合致しているのですが、長さ方向は3.2 mmとか2.2 mmピッチで合致していませんので、孔を糸鋸で拡げて実装してあります。とりあえず、DCC電源からDV5Vを得る電源回路を組んでテストした状態です。


複線分岐に使おうと考えているサーボです。米国Hobby Kingさんから購入した、金属ギアを使ったSub-Micro Servoです。これまでのような、エンドレス間の連絡線や、車庫への分岐ではなく、本線上の分岐になりますので、限られた容積の中で、少しでも耐久性が期待できるもの、ということで選びました。まぁしかし、Sub-Micro Servoだけでも30種近く、選ぶのに困る位ありますねぇ…


電子工作ついでに、エアーバリアブルさんのブログで紹介されていた、「部品アナライザ」(正式商品名は滅茶苦茶長い…)を購入してみました。写真は組み立てて校正を済ませた後、昔、どっかから外したと思しきタンタルコンデンサらしきものを試しに測定しているところです(22.85μFと表示されています)。確か故障モードが導通(壊れると導通する)なので、使うのを止めた記憶があります。部品表面には、「7801 22(M) 25V」と書かれていますので、22(M)が容量表示、即ち22メガピコファラッド(=22μF)だったということになりました。

最近の工作

2月運転会前後に行った工作について記しておきます。

1.Dual Frog Juicerの試用


組み込んであったMRC製のAuto Reverse Moduleがうまく動作しなくなってしまった「ループ線」ですが、新たに購入したDual Frog Juicerを、フィーダー間に挿入できるように仕立てて試用してみました。結果として、無事にストレスなく使用できることが確認されました。

2.DCC 電流電圧計の拡張


ユニトラック用フィーダーを接続して小型ケースに収納し、ブースタからホイホイの間のどこにでも挿入できるように仕立てたDCC Specialties製のRRampMeterですが、レール上における任意の位置で電圧を測定できる様に、入力側に接続できるようなクリップを作ってみました。これは、2月運転会で、仮設ヤードにおける電圧を測定している様子です。
で、ここで作ったクリップと、パワーパックやDCCブースタからのフィーダを試験的に接続するためのクリップを組み合わせると、ブースタからホイホイの間に各種回路を挿入してテストすることが出来ます。そこで、先にKingyoさんから譲って頂いたDual Frog Juicerにリード線をハンダ付して、ループ線モジュールに組み込む前にテストしてみて、問題ないことを確認しました。
ここで、もうひとつ改造しておいた、MRC製のAuto Reverse Moduleもテストしてみると、問題なく動作することが確認されました。これを使う筈だった右亘り線の製作は中断となりましたので、こちらに流用することにしましょう。

3.ループ線フログ部の配線


2月運転会で試運転をすべく、その前日にクロス部分の配線を済ませました。組み込んだDual Frog Juicerは、リード線をハンダ付けした後、上で問題ないことを確認したものです。並行-対行の切替には先に述べた通り、ラグ板を試用してみました。とりあえず現在は、対行配線で接続してあります。
2月運転会では、圧着端子の根元は裸のままでしたが、その後、3 mm径 10 mm長のヒシチューブを被せて補強しました。黒色のヒシチューブには表面に艶のあるものとないものがありますが、販売店に聞いてみたところ、艶のないものは難燃性だということでした。

【線路工作】進捗状況ほか

プロジェクト進捗状況です。

1.ループ線


ようやっと、線路を全部敷設しました。このプロジェクトは、クロス自作というチャレンジを実施していますので、思いがけないトラブルが発生する可能性があります。ですから、線路は全て「仮止め」状態です。今後、配線を済ませて運転会に持ち込み、色々な車輛でテストしてみてから、本格的にスパイクで固定する計画です。本格的に固定するまでは、裏面にスパイクが突出したままですので、怪我に注意する必要があります。


裏面の現状です。レールからフィーダーを引き出し、中継点となるプリント基板片にハンダ付けしました。コードはAWG 24の太さのものを使っています。現在、Kingyoさんから譲って頂いたDual Frog Juicerと、並行-対行切替用のラグ板(これもKingyoさんの「手法」です)をどこに置くかを検討中です。


並行-対行切替用のラグ板を試作してみました。ラグ板の金具にM2のタップを立て、そこにR型の裸圧着端子をネジ止めします。ラグ板はサトーパーツのL-3522-6P、圧着端子はニチフのR 0.3-2、ネジはM2×4 mmの黄銅ナベねじです。薄い端子にネジを切ることになるのですが、しっかりとしたネジを切ることができました。多回路の接続替えには、ピンヘッダとジャンパーピンを使ったこれまでの手法より向いていそうです。

2.複線右分岐の再生

進捗なしです。

【線路工作】2018進行中プロジェクト

2018年を迎え、昨年から実施しているプロジェクトを整理しておきたいと思います。

1.ループ線


一昨年からのプロジェクトです。ボードを罫書いて切り出したところで、全体をp形からq形に反転させることにしたりで、色々寄り道をしているプロジェクトですが、ここまで出来ました。あとは配線して、欠けている部分に軌框を敷設すれば運転できるでしょう。そこまで進めば運転会で使ってみて、不具合がないか、実地検証する段階になります。舗装は運転会で使ってみて、問題ないことを確認してから施工する計画です。

2.複線右分岐の再生


Kingyoさんから譲って頂いた、旧い複線右分岐の再生です。新規ボード上への移設作業を進めていましたが、ようやっと移設することが出来ました。線路の固定に使用されている多数の「ネジ」を通す孔を、どうやって新しいボードに写すか、が問題だったのですが、舗装を撤去してみると、植え込みネジではなくて皿ネジだったので、難なく解決してしまいました(表面からネジ孔にシャープペンシルを突っ込み、孔の周囲に罫書をすれば実用上OKでした)。


前報で書きました、「ポイント前端レールの約5 mm延長」も無事完了しました。考えた通り、基板から直ぐの場所で、篠原製#60レール用ジョイナーで接続、ハンダ付けしてあります。

譲って頂くときにKingyoさんとの間で話題になった件として、「片トングのポイントで、カーブ外側にトングレールが位置している」ことがありました(通常は内側)。色々悩んだのですが、「Paul & Steven Mallery(2008). Tration handbook for model railroads.」に、”The tongue tended to be placed in the inner rail of the curved route as shown on the left of Fig.13 but could also be on the outer rail as on the right. Both locations were also be on the same system, foe example, in 1974 in downtown Pittsburgh.”(要約:トングレールはカーブの内側に位置する傾向があるが、外側にあることもある。どちらの位置もまた、同一路線上に存在することもある)という記述を発見したため、「なぁんだぁ…」ということで、そのままいくことにしました。
しかしこの本、1974年にVane Jonesから、1992年に2-10-4 Publicationsから、そして2008年にCarstensから出版されたことになっています。うーん、中々のものだと思います。

今年はこれら2つのプロジェクトを、運転できるとことまでは仕上げたいと考えています。