Pacific Electric 100 Series Local Car (2)

使用するBowser製4′-10″動力の点検と、車輪の換装も終了しましたので、組み立てを進めることにします。


Shapeways経由で、West Coast Traction Supplyから届いたパーツ一式です。下回りはBlack Natural Versatile Plastic、上回りはSmooth Fine Detail Plasticで成形されています。

種々の情報によりますと、Fine Detail Plasticはアクリル系の素材で、レジン成形品とほぼ同様の扱いが出来るとのことですので、それを信じてプラ用塗料で塗装することにします。メーカーの説明によれば、「洗剤(Simple Green:日本でも販売されています)と温湯(hot water)で、電動歯ブラシを使って洗え。組立ダボ(米語でpeg)の入る穴の中にはwaxが残っているので、ドリルの刃で注意して除去しろ。」とありますので、離型剤等の洗浄には気を遣う必要がありそうです。実際のところ、仮り組みしてみますと、ダボが穴に入らなかったので、1.1φ及び1.5φのドリル刃で浚ってみたところ、穴内部側面に柔らかい「なにか」が付着していました。この素材は、透明スチロール樹脂(=プラモデルの透明部品)とは異なり、結構柔軟性のある素材との感じでした。


動力装置を床板に組み付けてみました。特に寸法的な問題はありませんでしたが、重量が54.4 gしかありません。弊社の都電6000(96.8 g)がちょっと軽すぎる印象がありますので、補重をせねばなりません。

ということでSEPTA Kawasaki Single-End LRVと同様にA-LINE products製のBowser Trolley Flywheel Kit(#20040)を組み込むことにします。フライホイール単体で15.5 gと、かなり稼げますが、未だ不足なので、床板のあちこちに鉛板を貼り込むことにします。手始めにモーター下の隙間に押し込むべく、1 mm厚鉛板を12.5×20.0 mmに2枚切り出したところ、合計で5.3 g稼げました。床下には42.9×18×3.3 mmの空間があり、付随台車に干渉しない範囲を積層鉛板で埋めると19.2 g程稼げる計算になります。車体その他を含めて何とか車重100 gは確保できそうです。


前記事で露見した、動力台車の首振り制限問題の対応として、集電板の配線用ラグ部を移設してみました。糸ノコで切断し、0.2×2.5 mmの真鍮帯板で裏打ち(フレームに組み付けると表側になりますけど…)してハンダ付けしました。配線をハンダ付けする際、熱が回ってバラケない様、昔試しに買った鉛フリーハンダ(融点217~220℃)を使ってみました。融点差にそこまで気を遣う必要はないと思いますが、そうでもしないと鉛フリーハンダが全然減りませんので、まぁ気を遣ってみた、ということです。

組み付けてみますと、配線用ラグ部と車体側ボルスターとの干渉は解消されたことが確認されました。これで急カーブへの対応もOKかもしれません。

英国型路面蒸機 (1)

弊社にはB&O鉄道のDocksideが、GD鉄道のレタリングで在籍していますが、運転会等では、「やはり予備機も欲しいなぁ…」ということで、路面蒸機をもう一輌増備することにしました。簡単に作ろうと、スカート付きの箱型ボディという線で考えた結果、図面も入手してあることですので、LNERのY6型にすることにしました。手元に昔のLIMA製英国型HO貨車が転がっていますので、それを活用するためにも英国型をHOで作ってみることにしました。


これがShapewaysに出店しているRecreation21から購入した車体とボイラーです。両者ともVersatile Plasticという材質で、Nylon 12の粉末をレーザー焼結したものだそうです。購入元の解説によると、「ナイロンであるが、どんな水溶性塗料でも塗装/染色できる。しかし、多孔質で液体を大量に吸収する。」とのことですので、塗装はちょっと考える必要(例えば、ウレタンシーラーの様な二液性塗料で下塗りして目止めするとか…)がありそうです。まぁ艶消し塗装ならば問題はなさそうですが…


Great Eastern Railway Societyから入手した図面によりますと、軸距は6′-6″、HOでは22.75 mmとなりますので、動力としてARU MODELのアルパワーHO-23B(C4004)を使うことにしました。車輪径は実車で3′-0″ですので、標準で付いてくる10.5 mmφをそのまま利用します。サイドロッドはスカートに隠れるので省略、輪芯には同社製φ10.5輪芯(C3044)を嵌めることにします。バランスウェイト表現がありませんが、実物にもありません(内側シリンダーです)ので好都合というものです。


早速、下回りの部品を切り出しました。床板は0.8 mm厚の真鍮板、前後の懸架金具は0.5 mm厚の真鍮板を曲げて作りました。既成のスペーサー金具や台車枕梁を利用することも考えましたが、床下にデコーダを収めるスペースを作り出さねばなりませんので、スカート内幅一杯のチャンネル状金具を作成して対処しました。動力装置をM1.4ネジで固定する部分は、力の掛かる部分でもありますので、0.5 mm厚真鍮板の二枚重ねとして、M1.4ネジのピッチ(0.3 mm)の3倍以上の板厚を確保してあります。

Bowserの4′-10″動力

Bowserの4′-10″動力は、以前から発売されていた6′-6″動力の部品を利用したものという触れ込みですので、分解したついでに細部を比較してみました。


比較してみますと、モーターは同一でした。モーターのブラケットは、前後の補強リブがなくなっていますが、品番(#1279)は変わっていないので、本家製品へのフライホイール搭載に伴った変化かと思われます。翻ってみると、SEPTA Kawasaki Single-End LRVにフライホイールを組み込んだ際、補強材を除去するのに苦労した記憶があります。

輪軸とその保持方法には顕著な違いがありました。6′-6″動力(左)では、車軸に軸箱が嵌っていましたが、4′-10″動力(右)では集電板が直接、車軸を受けていました。実際に走行する際、潤滑に気を遣う必要がありそうです。


4′-10″動力では、動力台車の首振りが、集電板から伸びた配線用ラグ部の干渉によって制限されています。購入した2セットのうちのひとつは、この干渉部分が切除されていましたので、気付きませんでしたがこれは、曲線通過を考える上で、配線用ラグ部を移設することを検討する必要がありそうです。


とりあえず、Ken Kidder社製のDouble Truck Birneyでは、付随台車の集電版が床板と干渉しますので、2 mmφ用ラグ板を加工して、配線用ラグ部が切除された集電板にハンダ付けしてみました。仮置きしてみますと、この位置で何とかカーブ通過はクリアしそうです。

Double Truck Birney (1)

以前、好みの車輛としてBirney Safety Carを挙げましたが、そこで紹介したのはSingle Truck(単車)版でした。


で、Birney Safety CarにはDouble Truck(ボギー車)版もありまして、手元には何故か集まってしまったKen Kidder社製のボディや台車が幾つかあります。当然動かそうと思い、1輌分のボディを手元に置いてあれこれ考えていたのですが、ふとCustom TraxxのWebサイトをみると、Bowserが同社製動力を利用した交換用床板を3Dプリントで出していることが書かれていましたので、26″車輪を付けた4′-10″軸距の動力装置とともに入手してみました。


上がオリジナルの床板、下が送られてきた床板です。以前Shapewaysで購入した床板に用いられていた材質(Versatile Plastic :Nylon 12)とはちょっと違う様で、より肌理が細かく、容易に切削できる印象です。しかし、Shapewaysのものでは全く気にならなかった積層痕が目立ちました。表面も平面が出ていない部分がありましたので、そこは平ヤスリで切削しましたが、容易に均すことが出来ました。


動力装置を仮置きしてみますと、付随台車の集電版が床板と干渉しますが、それ以外では大きな問題もなさそうです。ということで塗装をBLIMP100 Seriesと揃えるために、屋根の塗装を自動車用ブレーキ液(DOT-4)を用いて剥がしました。屋根上で一体成型されているベンチレーターの幾つかに傷がありますので、それを修正してから塗装にかかることにしましょう。

2023/05/28工作会のご案内

グループ軌道線会員各位

★グループ軌道線工作会のご案内

【日時】2023年5月28日(日)9:00 ~ 17:00
 ※来退場時間は自由です。ご都合に合わせてご参加ください。

【場所】中央区立月島区民館 (東京都中央区月島二丁目8番11号) 4号洋室
・東京メトロ有楽町線または都営地下鉄大江戸線月島駅下車9番出口 徒歩2分
・都バス「門33亀戸駅-豊海水産埠頭」月島三丁目下車 徒歩5分
・区民館に駐車場はありませんが、近傍の中央区月島特別出張所地下に区営駐車場(\150/30分)があります。
地図はこちらです。
・いつもの「晴海区民館」とは場所が異なりますのでご注意下さい。

【新型コロナウイルス感染症対策】
新型コロナウィルス感染症の拡大防止のため、風邪症状など体調不良が見られる場合は、参加を自粛して頂きたくお願い申し上げます。

【工作会について】
参加費:会場使用料金(午前700円・午後1,000円)の、各時間帯参加者での均等割り
今回の工作会も、特にテーマを決めないでやりたいと思います。
工具、材料等は各自、ご自身のプロジェクトに合わせてご持参下さい。

★奮ってのご参加を、宜しくお願い申し上げます。