都電のビューゲル
2025年2月27日 10:11 AM | 投稿者名: treasure
以前、トラムウェイから都電7000、7500、8000形が発売されていましたが(YさんがDCC化取り組み中です)、ビューゲルがちょっと小さい様に感じていました。最近、実物図面があったことに気付き、その辺を検証してみました。
都電ビューゲルの概要は、鉄道ピクトリアル昭和35年7月号に江本広一氏が、「都電見聞録[完]」の中で書かれています。「現在使用しているのは、泰平のTY26形と明石のQ302形で、数は前者の方が多く、大体2:1の割合である、とはいうものの、あとで修理の際に上半分を取替えて…」とあります。このことから、ビューゲル弓下部のパイプ間隔は泰平も明石も同一と考えられます。さて、鉄道史資料保存会から出ている「大阪市電 車輛構造図集」にTY-26ビューゲルの図が掲載されており、パイプ間隔は460 mmと読み取れます。
これが明石製作所製ビューゲルです。文京区立神明都電車庫跡公園に保存されている6063号に載っています。
こちらは同公園に保存されている乙2号に載っている泰平電機製ビューゲルです。この電車、保存された後一旦綺麗に修理されたのですが、その後上に張られていたキャンバス屋根が破損して雨曝しになってしまい、かなり傷んでいました。その頃はビューゲルが荷台の上に載せられていて触り放題だったのですが(それを狙って採寸しに行った訳です)、今回訪ねてみると又綺麗に修理され、更に恒久的な屋根も新設されていました。大事にされている様で、何よりです。
実寸と模型を比較してみます。1/80スケールでは5.75 mmとなるところですが、そこそこ良い感じと思われるアルモデル製簡易型ビューゲル(Bタイプ)でも5.4 mm(図中A)、製品付属のものでは4.6 mm(図中B)しかありません。うーん、やはり小さく見えた感じは正しかった様です。
さて、大きさ的にはアルモデル製品に振り替えるのがいいのですが、簡易型と謳っている通り、ディティール的には劣るものへのに振り替えになることです。ディティールを追加しようにも、「弓」と「ベース」がエッチング抜きで一体ですので、中々簡単ではありません。うーん、どうするか悩ましいところです。
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