車両

【運転会始末】KATOの欧州型単車の調整


2月8日の運転会で、ATLASの4番ポイントを使用した片亘り線を久しぶりに使用したところ、KATOの欧州型単車がかなり引っかかることが気になりました。輪軸のバックトゥバックが狭めなのは、既に交換時に判っていましたので、この引っかかりを解消すべく検討・修正を試みました。

M0014637
まず念のため、ATLAS4番ポイントのフログ部分におけるスパンとチェックゲージを、NMRAゲージでチェックしてみます。写真の通りゲージはすんなりと収まり、線路側には問題ないことが解ります。

M0014638
続いて、輪軸をNMRAゲージでチェックします。写真の通り、バックトゥバックが狭いことが解ります。では、どのくらい狭いのか? どのくらい拡げればいいのか? を検討してみます。

輪軸を採寸しますと、バックトゥバックが14.2 mm、フランジ厚が0.75 mmでした。バックトゥバックの許容範囲は14.37~14.6 mmで目標値が14.55 mm (NMRA S-4.2)ですので、0.13~0.40 mm拡げればいい計算です。ということは丁度、手元に在庫している厚さ0.13 mmのポリスライダワッシャを2枚、両側の車軸と車輪の間に挟んで、バックトゥバックを14.46 mmに拡げれてやればよさそうです。

ここでもうひとつ考えなければならない寸法がチェックゲージです。規格では「the primary controlling dimension」とされ、重視されている寸法です。具体的には、バックトゥバックにフランジ厚を加えた寸法で、目標値は15.32 mm、許容範囲は15.14~15.37 mmと規定されています。

当初のチェックゲージは14.95 mmですから、狭いほうに逸脱しています。ワッシャを挟んで拡げると15.21 mm、目標値に比べてやや狭いですが許容範囲内です。また、軸距離が比較的長く、かつ、小半径を通過しなければならないことも考えますと、許容範囲下限ぎりぎりを狙うのが理想ですが、まぁ、広めになるよりはまし、ということでOKとしました。

M0014641
ということで、早速ワッシャをはめて修正した輪軸が上の写真です。NMRAゲージでチェックする限り、バックトゥバックとチェックゲージはクリアします。再組み立て後の試運転でも、引っかかりがなくなったことが確認されました。

実はMOROPのNEM310をみると、チェックゲージは15.1~15.3 mm、バックトゥバックは14.4~14.6 mmと規定されています。バックトゥバックが狭いのは、欧州規格だからかと思っていたのですが、そうではありませんでした。何でこんな寸法になっているんでしょうかねぇ…

いずれにしろ、これで無事に運転できることが明らかになりましたので、近いうちに、同じ輪軸を使っている「広電238」も修正しようと思っています。

【新車購入】MSR952


Bowserから発売された、Market Street Railwayの952号車を購入しました。
Market Street Railwayでは「?」という方もおられるかと思いますが、PCCカーをSan Francisco MUNIのF Lineで運用しているNPOです。

元々は、Louisiana州のNew Orleans市を走っていた電車ですが、紆余曲折の末、現在は、Market Street RailwayのHistoric Streetcarsの一員となっています。
DSCN3210
DSCN3198
実はこの製品、一昨年に予告されていまして、その時点でウィスコンシン州のお店に予約を入れてありました。それから二年が経過し、どうも発売された様子なのですが、物が来ません。挙句の果てには、それ以後に発表されて予約したPCCカーが来る始末です。「これはおかしい…」ということで、改めてメリーランド州のお店に「残1輌」で在庫していたものを注文し、入手したものです。
DSCN3205
未だ、色々と弄ってはいませんが、サウンドデコーダがSoundtraxxのTsunamiから、ESUのLoksoundになっています(この直後に発売されたPCCカーも同様です)。また、架線集電/レール集電の切替スイッチが床下に移動したり(以前は車内のプリント基板上にスイッチがあり、分解しなければ切替られませんでした)、給油済みになっていたりと、また一世代進化したなぁ… という印象です。この辺は、この後発売された、Loksound搭載のPCCカーも同様です。
あと、気付いた点としては、ポールの上昇バネが弱くなっています。従来は架線集電を考えたのか、かなり強い上昇力で、下げてポールフックに掛けておくと、竿が曲がりかねない、フックが飛びかねない、といった不安がありましたが、これで解消されました。でも、架線集電で運転する事例が多い本国のファンにはどの様に受け止められているのでしょうか…

【車輛工作】スピーカー換装


弊社では、以前紹介したBowserのFラインPCCカーの初期製品に、TCS社のM4Tと、Digitrax社のSFX004を搭載してDCCサウンド仕様にしてあります。
スピーカーには、東京ラジオデパートで購入した、直径9 mm程のものを使っていたのですが、音が小さいのが悩みの種でした。
先日、Sugar Cubeというスピーカーが優れものということを聞きましたので、交換してみました。

DSCN2957

これが使用したSugar Cubeです。熊田貿易で購入しました。スペックは以下の通りです。

15x11mm, 11mm tall
8 ohm
1 Watts
Sound Chamber Included
DSCN2960
スピーカー本体とケースは、セメダイン・スーパーXで固定しました。リード線は写真のようにハンダ付けして、アセテートテープで押さえました。金属地肌が露出している部分は、目立たない様にタミヤのXF1(艶消し黒)で塗り潰しました。
DSCN2961
最終的に、運転席の横、前側乗車ドアの内側に、両面テープで固定して搭載しました。音は充分大きく、満足する結果が得られました。

【新車?出場】Dockside


長年、懸案となっていた仕掛品を、運転できるまでに仕上げました。
DSCN2907
プロトタイプはB&O鉄道のC-16です。本来の棲家は、深夜の併用軌道でしたから(実車で7フィートという、ボギー台車並の軸距がそれを象徴しています)、まぁ、仲間に入れてもいいのではないかと思っています。
はじめはBowserの最終製品だったのですが、ひょんなことから入手したVarneyのダイキャスト版の重量に魅かれ、上回りとシリンダーブロックを振り替えました。更に、別売されていたバルブギアーと、スーパーディテールセットの一部を取り付けてあります。あと、弊社では本線運用にも就く、ということで、マーカーライトも増設しました。
DSCN2909
さてこのモデル、キャブ下のエアタンクがぺったんこだったり、妻前面窓がなかったりと、ディテール的にも少々怪しいところがあります(実は米国HO初のスケールモデルですから、仕方ないといえば仕方ありません)。真面目にB&Oの塗装にする知識もありませんので、Komar Dry Transfersのデカールを使って、我々世代には憧れだった、John Allen氏の、Gorre and Daphetid Railroadのコスプレをさせてみました。サン・フランシスコのFラインでは、PCCが全米各都市で走っていた同類のコスプレをやっていますから、それに倣った訳です。
DSCN2905
走行用デコーダはLenzのGold+、サウンドデコーダはMRCのSOUNDER(1908)を搭載しています。動輪固定のBタンクですので、集電不良の影響をできるだけ軽減しようと、GOLDにPOWER-1を付加しています。GOLD+デコーダも当初、JSTソケット付のものを入れようとしていたのですが、無理矢理入れたため動作がなかなか安定せず、苦労しました。どうも無理に入れたため、基板上の回路にへアクラックでも入った様で、最終的には動作不良となってしまいましたので、JSTソケットなしのものと交換しました。というか、JSTソケット付きを修理に出したら何故かソケットなしが交換で戻ってきたので、試したみたところ、前より余裕をもって入ったので、そのまま使ってしまった、というのが真相です。また、着手から完成まで長時間かかってしまったので、SOUNDERも1665から1908にアップグレードしました。
もうひとつ苦労したのが、POWER-1の設定です。マニュアルでは、電源供給停止からの動作時間をCV112で設定することになっているのですが、これはCV122が正しい様です。
まだまだマーカーライトにMVレンズを入れたり、ロッドにネオリューブを塗ったりしなければなりませんが、それらは分解せずに実施できるので、とりあえず御披露目です。

【床板到着】SEPTA Kawasaki Single-End LRV


注文していた床板ですが、26日に無事、配達されました。

25日には届いたのですが、受領できず、翌26日の受領となりました。

DSCN2887

DSCN2898

こんなパッケージに入って配達されました。出荷時に、トラッキングナンバーを連絡してくれましたので、到着まで、それを眺めて楽しんでいました。

それによると、Eindhoven, Netherlands→Koeln, Germany→Shenzhen, China→Narita, Japan→Tokyo, Japanというルートを辿った様です。DSCN2899

製品は梨地で、このまま使用しても問題なさそうです。