江東電気軌道(KDK)

京王2917号の修理と改良(前)

在籍している乗工社製京王2917号もギアが割れていて走行不能ですので修理します。弄るついでにリパワリングと全輪集電化を実施します。PU101の純正(?)対策部品を使用してリパワリングしますとウォームが洋白製となり、真鍮製のヘリカルギアとの間に良好な噛み合わせが期待できます。

この模型はダミーの連環連結器を装備していますので、運転時にはどうしても「独り歩き(単行運転)」となります。従って安心して運転するには全輪集電化が欠かせませんが、この上回りはほぼ一体に組み上がっています。ということは全輪集電化に際し、動力台車と付随台車を結ぶリード線をどう通すか?が問題となります。そこで長年折に触れて考えてきた結果、ついに天啓を得ましたので、それを実装してみようと思います。


修理改良に先立ち、床板取付ネジの補強を実施します。車体側の床板は目測0.5 mm厚、そこにM1.4のネジが切られているのですが、ピッチが0.3 mmですので力のかかる部位としてはちょっと感心できませんし、既に4ヶ所中1ヶ所で抜けそうな気配がしています。全輪集電化加工でかなりの回数脱着することになりそうですので、この際、ネジ孔を補強することにします。

先ず中央にM1.4ネジを切った0.8 mm厚、直径4.5 mm程の円盤を作ります。それを写真のように、車体下側からネジ込んだ長ビスに上からネジ込みます。その後ピンセットで反時計方向に回転させ、円盤下面と床板上面を軽く接触させた後、横から接着剤を毛細管現象を利用して流し込んで固定します(円盤を床板の縁からちょっとはみ出させていることがミソです)。接着剤は円盤が外れたり、回転しなければ充分ですので、ここでは黒色ラッカーを使用しました。


動軸ギアを玉電80型と同じ方法交換した後、モーターをキドマイティからIMONミニモ-ターへ、webページの説明通りに交換しました。交換してみますと、モーターホルダーの横幅が輪軸のバックゲージと略同一で、走らせているとちょっとしたことでショートします。そこで、この写真にある通り、片側0.5 mm程ヤスって接触を防止しました。気付いたのは試運転時で、モーターホルダーをフレームに接着してしまった後でしたので、集電ブラシをマスキングテープで養生しつつ作業しました。きちんと固定しないでヤスリ作業をしましたので、向かって右側は直線がきちんと出ていません。見た目は余り宜しくないのですが、「とりあえず実用に問題なし」ということでOKとしました。


モーター交換後の動力台車です。元々の集電ブラシにあるモーターへの通電用腕は根本で切断し、リード線を直接ハンダ付けしてあります。集電ブラシは既にプラフレームに接着されていますので、ハンダ付けに際しては周辺を水で濡らしたティッシュペーパーで囲み、断熱に万全を期して臨みました。

キャブはそれなりに大きいので、フライホイールを付けることができます。直径10 mm12 mmのものを仮り組みして検討した結果、ここに写っている直径10 mmのものを使用することにしました(直径12 mmのものを付けると、動力台車のピッチングを制限します)。モーターのラグには更に、付随台車からのリード線を結びますので、フライホイールの固定はその配線後となります。またモーターがキドマイティのままですと、付随台車からのリード線を結線できません(集電ブラシにハンダ付けすれば可能ですが、台車やブラシの追随性が悪化しそうです)ので、このことからも全輪集電化にはリパワリングが必須といえそうです。

玉電80型の動軸ギア交換(後)

玉電80型の動軸ギア交換、前半の分解に続き、後半は組立です。


ギアをよく見ますと、片方の軸孔には面取りがされており、中間連動軸アセンブリを組む際には、こちら側から軸を圧入したものと考えられます。そこで、こちら側から車軸を圧入します。先に記した通り、ポリスライダーワッシャー2種2枚を挿入した後、ギアをできる限り手で押し込みます。その後NWSL社製の8.75 mm径車輪(絶縁車輪のみ使用してしまったので、非絶車輪と車軸が余っています)を押さえ金として、マシンバイスで圧入します。バイスの口金に支障して直ぐ限界を迎えますが、ここではそこそこの精度で作られているマシンバイスで、ギアの厚み全部を段付き車軸の太い部分まで振れなく押し込むことを優先します。ギアと車軸の間に隙間の様なものが見えるのは、ギア端面の面取りが影響しています。また圧入する際には、マシンバイスの押し込みネジと車軸ができる限り一直線になる様注意します。


工具をThe Pullerに変更して更に押し込みます。押さえ金として使用している8.75 mm径車輪の軸径は3/32インチ(≒2.38 mm)ですので、軸孔2 mmのギアをうまい具合に支持してくれます。ギアはローレット加工位置まで粗く押し込んだ後、車輪裏面とギア端面間が6.4 mmになる様に管理しつつ圧入します。


ギアの位置が決まったら、更にポリスライダーワッシャー2種2枚を挿入した後に、ギア交換のため外した車輪を圧入します。その際はギアと同様に、できる限り手で押し込んでからマシンバイスで圧入します。バックゲージは14.8 mmとなる様管理します。

最後に、ギアを交換した輪軸を車輛に戻して修理完了です。分解したついでに、中間連動軸(修理用に頂いたものと同じ部品)ギア両側に、0.3 mm厚の真鍮ワッシャを挟み、ギアが偏らない様にしてみました。試運転してみますと、快調な走行を取り戻せた様です。来るイベントではこれも走行させることが出来るでしょう。むしろ、玉電64号と151号はギアがプラのままなので、何時割れて走行不能になるか判りませんので、どちらかというと、こっちが本命なのかもしれません。

英国型路面蒸機 (補遺3)

先に記した通り、集電ブラシを車輪裏側を摺るように改良してみました。


新たに製作した集電ブラシです。集電ブラシの接触位置は、車輪裏側にボスが出ていることから、多少車軸に近くても支障にはならないと踏み、ボスぎりぎりまで中心に近付けてみました。ブラシそのものは、別所属クラブで得た知見から、2列(0.5×0.15 mm燐青銅帯板×2)としてみました。何でも、ブラシ付DCモーターのブラシ先端には切れ目が入っていて、複数列になっているそうです(そうしたほうが通電効率が良くなるそうな…)。しかし、細い帯板先端に切れ目を入れるのはちょっと難しいので、根本から2列にしてみました。


これまで使用してきた集電ブラシです。先端をループにして折り返し、できるだけ柔らかく接触させる様に工夫してありましたが、車輪外周にて接触していることから限界があった様です。


新たに製作した集電ブラシを取り付けた状況です。電線は従来からのものを再用しましたので、脱着時の熱で被覆が少々傷んでしまいました。こちら側は非絶縁側なのでこのままとしましたが、反対側の絶縁側は、支持腕裏面に方眼紙小片をエポキシ系接着剤で貼ったついでに、接着剤を盛って絶縁を補強しておきました。

試運転してみた結果ですが、感覚的には少し乍ら惰行する様になった印象、則ち走行抵抗が減少した様な印象があります。これは、集電ブラシの接触位置が車軸に近付いた効果かと思われます。また、最初2回程、集電不良で突っついた後は、すんなり起動する様になりましたので、集電ブラシを2列にした効果はそれなりにあるのではないかという印象です。まぁこれらは、もうちょっと走り込ませてみないとはっきりしないかと考えています。

玉電80型の動軸ギア交換(前)

5月工作会で動軸ギアが割れていて走行不能だった玉電80型の修理を試みました。


製品を引き継いだメーカーに相談した結果、動軸のものと同じギアを使っている中間連動軸アセンブリ(HOe/PU101動力SL-Bキットの2-4)を頂くことが出来ました。12個というのは弊社在籍の本シリーズ5輌プラス京王2917号の計6輌分、ということです。既に6輌中3輌分が割れていますので時間の問題と考え、計6輌分の交換ギアを確保しました。


ギア付き輪軸は破損したギアを外し、交換するギアを入れられる様に車輪を抜かねばなりません。これにはNorthwest Shortline社のThe Pullerを使用しました。車軸は段付きで、露出している車軸端は直径1.6 mm程ですので、付属していた1/16″チップで何とか抜くことが出来ました。中間連動軸アセンブリも圧入されているシャフトとギアを分解しました。こちらにはメーカー不詳のギア抜き(識者によりますと、スロットカー整備用だそうです)を用いました。


組み立てる部品一式です。分解した輪軸は元々のペア同士、一対一で管理しました。また、組んだ状態で左右のガタが気になりましたので調べた結果、ギアの片側に厚さ0.25 mmと0.13 mmのポリスライダーワッシャーを1枚づつ、両側それぞれに挟んでやると丁度良い具合にガタがなくなることが分かりましたので、この機会に入れておくことにしました。

工程後半はギア付き輪軸の組み立てです。

英国型路面蒸機 (補遺2)

動力装置を組み上げ、更新を完了しました。


ARU MODELさんからの案内によりますと、「モーターの仕様変更に伴いリニューアル」とあり、モーターの端子位置が変わったため、付属集電ブラシが変更されています。しかしここでは、付属集電ブラシは使用していないため、これまでのモーターを配線のまま流用しました。事前に伺った通り、ギア関係は同一でしたので、問題なく置換できました。写真では、フレームにハンダ付けした軸バネが解るかと思います。


どうなるか心配だったのですが、フレーム内側のモーター下部に入れた3.7 gのウェイトも問題なく移設できました。HO-23BとHO-23Cの互換性は相当高いと判断されます。


最終的に床板に取り付けた状況です。取り付けに利用していたカプラー取付板が車輪押さえ一体から別パーツに変更となったため、これを別途調達して使用しましたが、取付孔間隔が0.5 mm程短かったので、同厚のワッシャーを挟んで調整しました。高さも動力装置上面が床板と面一となる様にしていましたが、こちらも0.3 mm程突出したので、同厚のワッシャーを挟んで動力装置を下げました。これでようやく、元通りの寸法に収めることが出来ました。

ここまで工作してきますと、集電ブラシが車輪上側から押し下げる形式になっていて、軸バネと並列になっているのが気になります。ひとつ、車輪裏側を摺るように改良してみましょうか…