DCC

【追悼】kingyo(中澤 寛)さん


弊グループ創設者のひとりで、初代代表を勤められましたkingyo(中澤 寛)さんが、去る11月12日、旅行の途上、米国シカゴで亡くなられました。

中澤さんの業績としては、「ドアの開く電車」の他、様々なギミックを満載した車輌が知られていますが、ここではちょっと趣を変えて、線路・制御関係の業績をお伝えしたいと思います。

まず第一は、「トロリーホイホイ」の開発です。複線間隔50 mm、曲線半径250 mmという大枠はそれ以前に定まっていましたが、ユニット間の接続に、KATOユニトラックの接続部を利用する、ということの発案と実証をされたことに、我々は大いに助けられました。当初私は、「寸法を全接続部で揃えるのは困難であろう」と考えましたが、実際に製作してみますと、ステンレススケールを使った罫書レベルで互換性を確保することができ、不明を恥じました。我々の他にもこの方法を利用されている方がおられると漏れ聞きますので、今後に繋がる業績かと思います。

二番目は、本邦におけるDCC普及の先駆的役割です。2000年8月13日の、第1回国際鉄道模型コンベンションのクリニック1コマ目で、DCCとトロリーホイホイのデモをされました。KATOがDCCを扱う直前です。その後、訪日されていたDigitrax社の社長、Jill Irelandさん(記憶に頼って書いています。申し訳ありませんが、間違いはご容赦願えればと思います)と、親しく話されていたのことが、昨日のように思い出されます。

三番目は、複線配置におけるフィーダ配置で、「対向配置」、即ち、4本のレールのうち、外側2本を同一極性、内側2本を反対側同一極性とするフィーダー配置を紹介されたことです。ご本人は、「ドッグボーン配線」と呼ばれていましたので、単線エンドレスのドッグボーン配置をヒントにされたものであることは明らかですが、このフィーダー配置は他に例があったのか、それとも中澤さんのオリジナルだったのか… 確認する術は失われてしまいました。このフィーダー配置は、リバースを含む配置では、非常に効果的な配線方法です。また、「トロリーホイホイ」のフィーダーは、KATOのDC延長コード(青白)を利用していますが、外側を「青」、内側を「白」に間違えなく接続しておけば、(亘線を例外にして)ホイホイの向きを特段気にしないで接続できる点で、設置時のミス防止に有効でした。

この他にも、線路・制御関係では、様々なアイデアの発案と、製品紹介と購入のご助力を頂きました。

中澤さんとは、パソコン通信ニフティサーブ以来、凡そ四半世紀のお付き合いを頂きました。その間、色々とご迷惑をおかけしてしまいました。それにもかかわらず、長年に渡り、一緒に楽しませて頂きました。ありがとうございました。

“BLIMP”のリパワリングとDCC化


The Car Works製のPacific Electric “BLIMP” の動力装置を更新し、DCCデコーダを搭載しました。


モーターをIMONのミニモーターD2に、ジョイントをエンドウのユニバーサルジョイントに変更しました。モーターホルダーは取付孔とベアリング嵌合孔をちょっと拡げて再用しました。長細くて、余り利きそうにないフライホィールも、引っ張ったら簡単に外れましたので、「枯葉も山の賑わい(つまらないものでも,ないよりはまし)」ということで移植してみました。台車とギアボックスは再用しました。


(裏返っていて型番がみえませんが…)DCCデコーダは、在庫品から掘り出してきたDigitraxのDH121です。或る特定のCV値の、或る特定のビットを触ると動作しなくなる(回復不能)という問題を抱えたデコーダですが、ここでは単純にモーターだけの制御(本製品のライトは全てダミーです)ですので、役立って頂くことにしました。何かあってもソケット付ですから、簡単に交換できます。


その他にも、台車の追従性向上のため、動力台車のセンターピンスプリングは撤去し、付随台車のセンターピンネジを緩めました。緩めただけでは抜けてきますので、下側からロックナットを噛ませました。非絶縁側車輪からの集電は、オリジナルではセンターピン経由で導通していましたが、センターピンスプリングを撤去したり、センターピンネジを緩めたりしましたので、その辺の導通は最早期待できません。そこで、台車に直接コードを接続して、良好な導通を目指すことにしました。コードは、分解時を考え、IMONの穴径φ1.4 mmのラグ板を介し、台車組立ネジに共締めしました。当然のことですが、接触部の塗膜は剥がしておかないと、導通に支障がでます。弊社では、デザインナイフの刃先で塗膜を剥がしてみました。台車枕梁のボルスターとの摺動面には、10B鉛筆で、潤滑用の黒鉛を刷り込んであります。

とりあえず、ここまで弄ってみましたが、滑らかに走行させるには、もうちょっとチューニングが必要な様です。

【関東合運向け】Digitrax DCCの復習


再来週の関東合運に向け、Digitrax DCCの要点を復習してみました。自宅では主に、NCEのPower Cabを使っているため、不明確な点がありましたので、その辺を中心に再確認です。


9月23日の接続試験で使用したシステムの再確認です。これまでと違い、DCS50Kをオートリバースに設定しましたので、その動作確認です。リバース線を展開するのは面倒なため、フィーダ付ユニトラックを2つ準備し、片方から片方へ通過させ、機関車の載っていない側を前後反転させることによって、リバース状態を作りました。接続試験では、間にDual Frog Juicerからの給電区間が挟まっていましたが、それなしでも無事、運転できることが確認されました。

いい機会でしたので、線路電圧を測定してみました。DCS50Kの出力は13.3V、DB150のそれは、N、HO、O/Gの順にそれぞれ、11.3V、13.6V、15.7Vでした。2月運転会では大差があったのですが、今回はほぼ揃っていました。ひょっとすると、2月には間違えて、O/Gに設定してしまったのかもしれません。


続いて、弊社の初代ブースタ、DB100+のオートリバース設定の確認です。それ以降のブースタと異なり、DB100+は内部にOpSwを持っていませんので、外部でジャンパ線とスイッチを操作することによって設定します。具体的には、SYNC端子とGROUND端子をジャンパ線で結んでから電源を入れ、MODEスイッチをOFFからP/Rにすれば、オートリバース動作のブースタとして機能します。MODEスイッチを更にRUNまで倒せば、単なるブースタになります。SYNC端子とGROUND端子を結ばなければ、内蔵の、極初期のコマンドステーションが動作します(購入当時から時代遅れでしたので、これ以上は調べていません)。出力電圧は、P/R MODEとRUN MODEでは差がなく、N、HO、O/Gの順にそれぞれ、12.0V、14.4V、16.4Vでした。同じACアダプタですが、DB150とDB100+では、だいぶ差がある様です。

あと注意すべき点は、OVER TEMP LEDが、動作していない状態では常時点灯することです。マニュアルによると、「幾つかのDB100 (In some DB100 boosters,)は…」ということですが、弊社のDB100+はそれに属する様です。


DB150とDB100+のフロントパネルの比較です。塗装は、DB100+のほうが手が込んでいて、当時の意気込みが伺われます。DB150は内部にOpSwを持っていますので、それを使って種々の設定が変更できますが、重要部分はジャンパ線でも設定できるとのことです。備忘として書いておきますと、CONFIG A端子とGROUND端子を結べばブースタとして、更にCONFIG B端子とGROUND端子を結べばオートリバース動作のブースターとして機能する、とのことです(未実験です)。

工作再開準備


毎度乍ら仕事の関係で、1~4月の工作進捗は緩慢というか、殆ど休止状態になります。4月も中旬を過ぎ、何とか仕事の山も越えたので、工作の再開に向け、仕掛品を点検してみました。

1.複線分岐


再生中の複線分岐は、使用パーツが揃っていることが確認できました。あとはこれらを組み上げて実装すれば、使用できる様になるでしょう。次回工作会のテーマでしょうか…

2.SEPTA Kawasaki LRV


こちらも、細々と作り溜めたパーツを確認しました。ポールのベース部品や灯火類の基板が未だ出来ていません。DCCデコーダ等の電子回路は入手済みですので、今年中には何とか纏め上げたいものです。

3.Pacific Electric “BLIMP”


こちらも、(写してはいませんが…)セコハンのDCCデコーダ(DH121)とハーネスを発掘して、就役整備進行中です。ということで先ず、ポールを修復しました。じっくり触ってみると、ハンダ付け後の洗浄不足で、かなり動きが渋くなっていまして、これも、ポールが曲がってしまった要因かと感じています。この辺は錆び落とし後、潤滑剤としてNeolubeを塗りました。写真は修復作業で力を掛けた際に外れてしまったハンダ付けを修復している状況です。「Super Strong Soft Solder!」と銘打たれている、P.B.L.社の「TRICK-10k」を使ってみました。無鉛ハンダ、らしいです。

【関東合運向け】接続試験


例年通り、9月23日に「ほっとプラザはるみ」において、10月の関東合運に向け、予行を兼ねた運転会を開催しました。


今年度の配置です。例年通り、事前にCADを使って検討した結果の確認です。今年の接続試験では、主要メンバー複数人に身体的トラブルが発生したため、輸送に少々労力がかかりましたが、何とか配置を確認することができました。


別角度からの写真です。後方に写っているのは、四輪車で参加された会員に託したホイホイの梱包です。で、ちょっと不自由な身体(実は筆者、八月末に左肘を骨折しました)で荷造りしている時、必須部分を忘れたため、片方のループ線を組むことが出来なかったのが、一番の反省点です。帰宅後、現存を確認しましたので、合運本番には忘れない様にしなければなりません。


これは最近発売された都電の模型に、DCCデコーダを積んでテストしている状況です。「仮」ということで、KATOのNゲージDCCフレンドリー車対応のEM13動力車用デコーダにリード線を直結して配線してあります。思うに、運転だけを考えた場合、最廉価の量産型完成デコーダではないでしょうか? 但し、モータ制御だけなので、前照灯と尾灯双方が点灯しっ放しになるのが問題とのことです。ライトの制御回路がユニット化されていますので、対応するには知恵を絞る必要がありそうです。

尚、同時に開催しました2018年度総会も無事終了致しました。