ホイホイ・MTCC規格モジュール

【進捗状況】複線直交ホイホイの配線


新型コロナウイルス(COVID-19)感染症流行の影響で外出を控えているため、出来た時間で複線直交ホイホイの配線作業を済ませました。


ホイホイ下面からみた、配線の状況です。直線方向に5つ、コマ切れになっているレールを電気的に繋ぎ、レール交差部の無電区間を除いて、給電が途切れない様にします。複線直交ホイホイは、本線の中に入って、本線への給電を中継する可能性がありますので、接続はプリント基板だけではなく、その上に0.8mmφ程のスズメッキ線をハンダ付けして、導体断面積を大きくしておきました。配線は、スズメッキ線に直接ハンダ付してあります。しかし、中々コロコロとして扱い難かったので、ここは、0.4×1.0mm位の真鍮帯板の方が楽に工作できたかと思います。


配線にはここに示す、AWG24相当の耐熱電子ワイヤーを使用しました。先述した通り、本線への給電を中継する可能性があるので、太さはフィーダーと揃え、加えて最初の写真にある通り、配線が輻輳していますので、耐熱ワイヤーとしました。ハンダ付の途中でも溶けてくることがなかったので、この選定は正しかった様です。


レールへの配線も、プリント基板にハンダ付するのではなく、レールに直接ハンダ付して、大電流(といっても1A程度かなぁ)が流れても大丈夫な様にしました。

あとは周辺のレールを切り揃えて、いよいよ試運転です。

【運転会】開催しました


2月23日に、「ほっとプラザはるみ」にて、運転会を開催しました。


今回の線路配置です。250R複線ホイホイのエンドレスに、ユニトラックで仮設した小ヤードという、2月運転会恒例の構成ですが、ちょっと事情がありまして、運転する時間が限られていることが予想されたので、ヤードを昨年と比べて簡略化してあります。但し例年通り、本線とヤードは別給電です。D101はブースターとして設定し、ヤードへの給電と、スロットルとしての役割を果たして貰ってます。ポイント操作を、ハンディスロットルでやりますと、慌ただしくなり過ぎますので、ポイント制御用として重宝しています。


この度、ご家族のご厚意で、kingyoさんのホイホイを引き継がせて頂きまして、今回の運転会では、今後の運転会での使用のために、整理と採寸を実施しました。で、幾つか、エンドレスを作れる様に組み合わせてみました。これは、175mmRの複線エンドレスで、亘線もエンドレス外への分岐もありませんが、その辺は今後、発展させていければいいかと思っています。


こちらは、175mmRの単線エンドレスです。こちらも、エンドレス外への分岐がありませんが以下同文です。ガーダー橋が作られていますが、ホイホイでもやり様によっては、鉄橋を作れる、という実例です。

「ほっとプラザはるみ」は4月1日から、大規模改修工事のための長期休館に入りますので、これが改修前の最後の行事となりました。長年、ありがとうございました。

【進捗状況】複線直交ホイホイのギャップ処理


松の内も明けてしまいましたが…… あけましておめでとうございます。

昨年末に、12月15日の忘年工作会で切った、複線直交ホイホイのギャップの事後処理を実施しました。


ギャップを糸鋸で挽ききっただけでは、糸鋸を通すための孔や、ギャップ自体に空虚が残っています。実用上問題ないとは思うのですが、やはり埋めておいたほうが将来のトラブル防止になるかと思います。ということで、これらを写真にもある、コニシボンドのボンドEセットで埋めてみました。


前処理として、パーツクリーナーで脱脂洗浄し、接着剤が流れ出ない様、裏をメンディングテープで養生しました。メンディングテープは薄く、粘着力が強いので、こういった小面積のマスキング/養生には適していると考え、愛用しています。勿論、大面積のマスキングはマスキングテープです。適材適所、ですね。


エポキシ系接着剤を1 mmφの孔に注入するのには、このような器具を使いました。縫い針の根本を加工して、二又にしたものです。どこかで、精密機械の軸受への注油は、このような器具でやるのだということが書かれていたのを朧げに記憶していたので真似てみました。少なくとも、爪楊枝の先端で注入するよりも楽に出来ました。

注入時には、プリント基板やレール(以下、「ワーク」)を、ヘアドライヤーで温めておいて、エポキシ系接着剤の粘度を下げてやりますと、毛細管現象で、細い隙間(ギャップ)や小さい孔(糸鋸を通した孔)に上手く入ってくれます。

500 mmR複線エンドレス


少々考えるところがありまして、去る9月23日の合運向け接続試験の際、余ったホイホイで組んだエンドレスの寸法を計測しておくことにしました(Kさんがかつて、「検地」と表現されていましたが、言い得て妙です)。


写真を参考に、配置を再現します。合運に使うための配置に注力していたため、一枚しか撮影していませんでしたが、そこはデジタル写真の強みで、拡大して現物と見比べた結果、配置を再現することに成功しました。


で、寸法を概略5 mm単位で測り、CADで1/20図面を起こしました。曲線半径は、曲線定規を使って測定してみました。ホイホイの場合は、線路の寸法よりも、ボードの周辺寸法を測っておきませんと、いざ配置する際に干渉したりします。というか、ボード内部の線路寸法は、接続部の寸法さえ出ていれば、余り重要ではなかったりします。


採寸後、元配置では行先のない分岐が幾つかあったので、それらを整理してみました。枝線は分岐後、250 mmR曲線で左に90°曲がった後、両亘りを経て留置線に至る配置となりました。両亘り~留置線の間にある、拡がった部分にはホームを置くと良いかもしれません。路面電車に島式ホームはありか? と思われるかもしれませんがご安心を… 「万葉線の中新湊駅」に実例があります(右側通行にして、左側からの乗降に対応していました)。Market Street Railwayでも、Eラインは島式ホームがあるので、両運車限定だそうです(両運ならば、両サイドにドアがあります)。枝線の250 mmR曲線を、未だ余裕のある500 mmR曲線に置換すれば、これまでより一回りゆったりとした線路配置が出来そうです。

今回の採寸では、Yさんに多大なご協力を頂きました。厚く御礼申し上げます。

【2019合運始末】複線分岐の補修(2)


(1)の続きです。


カーブ内側に接着された「フランジ支え」です。上面にフランジが通過した跡が残っていますので、車輪落ち込みを防ぐ役割を果たしていたことは間違いないのですが… 車輪踏面を支えるだけで合流できることが明らかであると同時に、外側基本レールの「盛り上がり」修正を妨害している可能性があるのでは是非もありません。申し訳ありませんが引退して(=撤去させて)頂くことにしました。但し、それなりの弾性を持った「フランジ支え」は、フランジ高の差異を吸収しますので、いざという時には有用な手法かと考えられます。場合によっては有用な解決方法だろうということを特記しておきます。


「フランジ支え」とユニトラック・ジョイント部を撤去した状態です(熱で損傷する部品を外しましたので、これで遠慮なく加熱し、ハンダを緩めることが出来ます)。外側基本レール根本は完全に浮いていて、下面にエポキシ系接着剤が回り込んで硬化し、外側基本レールの「盛り上がり」修正を妨害している様子はありません。うん、何とかなりそう! ということで、弊社最大の100 w半田コテを投入し、外側基本レール「盛り上がり」部の押下と、2.0×0.4tの洋白帯板のハンダ付けによる、フランジウェイ幅の縮小延長を、長さ方向については「山勘」で実施しました。



工作後の状況です。ハンダが汚いですが、水洗するには最早、多大の手間を要する状況ですので、無洗浄で済む、電子回路用のフラックスを用いてハンダ付したのと、ベースの真鍮板を余り熱すると、歪みを無理矢理抑え込んで沈めた外側基本レールが暴れ出し兼ねないので、この辺で妥協しました。フランジウェイは、NMRA Standards Gage を使って、できるだけ狭くしてみました。「山勘」で決めた長さはちと長過ぎたので、上面をヤスってRを付け、問題ない範囲に落とし込みました。ここにRを付けると、基本レールへの「乗り移り」がスムーズになるという「副産物」もありました。
とりあえず、第19回関東合運で露見した問題点は解消されたということで、更なる「Combat Proof」に挑みたいと考えています。