伊香保電車


ちょっと暇が作れたので、梅雨になる前の6月上旬に、伊香保温泉まで保存車の見学にいってきました。


伊香保の「峠の公園」に展示されている、東武鉄道伊香保軌道線の27号電車です。12年程前、渋川市石原の平形医院眼科に保存されている時に、友人と訪問したことがありますが、その後、名古屋市電の旧台車と組み合わされて復元されたので、改めて見学することにしました。


前回見学時にはなかった台車です。柵もなく、自由に見学できるブリル21E単台車として貴重な展示です。現役時代は平坦地を走っていた台車ですから、急勾配の伊香保電車で装備されていたレールブレーキは装備されていません。尤も、伊香保27号車の現役時代の記録には、台車は「独乙シーメンス、シエッケル会社製」*1とあるそうですので、その辺の違いがあるのかもしれません。


貴重な機会ですので、台車内部を覗いてみました。モーターは失われていますが、モーター釣り掛け用の横梁や、ブリル21E単台車の特徴といわれているX型の「ダイヤゴナルステー」*2が残されています。

*1 花上嘉成(2014), 蘇った東武鉄道 伊香保軌道線 27号電車, レイル(91).
*2 吉雄永春(1989), 台車のはなしⅥ, レイル(24).