12mmホイホイ

【12mmホイホイ】ベースボード完成


先にレールをスパイクした12mm直線ホイホイを、8/19~21に開催された2022JAMコンベンションで、飾り台として展示に利用しました。


ライトグレーのバラストを撒いたほうも、緑化を済ませました。こちらの方は線路際に「日本の草はら 萌黄色」を、その他には「同 ブレンド」を撒きました。実際に車輛を置いてみると、

1.ライトグレーのバラストは接続部の道床とは馴染むが、やはり明る過ぎるきらいかある。
2.線路際の萌黄色は似合っていなかった。​生え際の枯草の表現には、スモールプランツ(旧コースターフ)のイエローグリーンのほうが適していそう。
3.地面は約2 mm厚としたが、約1 mm厚に留めて、バラストを盛った表現にしたほうが良さそう。
4.草を盛大に撒いたが、もうちょっと少なめにして、地面が透けてみえた方が良さそう。

という反省点が見つかりました。特に4.については、最初に施工した部分は、接着剤の塗布がうまくいかず、まだらになってしまったのですが、いざ他が出来上がってみると、あの位まだらな方が実感的でした。


ということで、残るベースボード6枚(直線2枚、90°曲線4枚)を組み立てました。並べてみますと、まぁそこそこ行けそうです。この後、防湿にウレタンニスを表裏両面に塗布して、狂いを防止しました。


並行して、収容を考えました。いつも使っているコンテナを準備し、収まり具合を確認しているところです。この厚さですと、7層重ねることができます。90°曲線は1層に2枚、225 mm直線は1層に4枚収まりますので、これまでに作ってきたボード全てを収めると3層を占めることになります。基本エンドレスはここまでですので、あと4層分、延伸プランを考えられることになりました。

【12mmホイホイ】バラスト撒布


先に検討した結果を受け、緑化を済ませた試作ホイホイに〈ナノ〉バラストのブラウンを撒布してみました。


バラストのは、水で5倍程に薄めたTitebondにドライウェルを添加した溶液を滴下して乾燥させ、固定しました。「まぁこんなもんかなぁ…」という仕上りです。固定した直後は、ちょっと色が濃過ぎる印象でしたが、水分が蒸発するにつれて落ち着いた様です。


続いてもう一つの試作ホイホイに、大昔の「とれいん」誌に書かれていた様に、地面を作って着色し、レールをスパイクする前にバラスト(ライトグレー)を撒布してみました。やってみますと、こちらの方がバラストを整える手間は省ける様です。またこちらでは、Titebond溶液を滴下する前に、ドライウェルを添加した水を霧吹きで散布してみました。端部から順番に染み込ませていけばそんなにも型崩れは起きませんでしたが、先に水で湿らせておく方が、多少なりとも手間を省ける様です。


バラスト撒布後、レールをMicro Engineering製の微小(Micro)スパイクでスパイクしました。巷で言われている通り、先にドリルで穴を開けておかないとスパイクが入ってくれない様子ですので、弊社では0.4 mmφのドリルで下穴を開けました。レールの保持力が心配でしたが、数(枕木4本毎)に助けられ、実用上充分な強度は確保できた様です。

【12mmホイホイ】バラスト考


12mmホイホイに使用するバラストの大きさ、色調について検討してみました。


何はともあれ実物例です。1067 mm軌間のトロリーラインの実例として、江ノ電は由比ヶ浜駅、和田塚駅寄りの踏切近傍の状況です。コンクリート枕木ですが、これは仕方ありません。


ということで、散布するバラストを買ってきました。KATOで輸入しているWoodland Scenics社製のバラスト〈ナノ〉、ライトグレー、ハニー、ブラウンの三色です。製品スペックによりますと、NanoバラストのHO換算の大きさは40~70 mm、某クラブで話題になった時、実物のバラストは2~6 cmということでしたので、「まぁこれで良かろう」ということで、この大きさにしました。

翻ってみますと、これまで拝見してきたレイアウトやモジュールでは、バラストの粒度はもっと粗かった様な印象があります。TMS229号の記事(レイアウトモデリング所収)によりますと、1.0 mmの網目を通らず1.5 mmの網目を通過する大きさが適当、との記述があります。これを1.0~1.5 mmの粒径、と解釈しますと、1/80では8~12 cmとなり、ちょっと大き過ぎる様に感じます。まぁこの辺は、一見した印象と、実際のスケールの印象の差という、悩ましい問題があるので一概に結論付けることができないのが悩ましいところです。


とりあえず試しに、植生を再現した12mmホイホイに、これら三色のバラストを撒布してみました。色調的には、一番右側の「ブラウン」が最も、上に掲げた実例に似合っている様な印象です。これに対してライトグレーは撒布直後、または補修で追加されたバラスト、ハニーは少々使われた、レジン系ブレーキシュー採用の私鉄路線のバラスト、といった印象です。まぁ色々と枕木の色調とバラストの色調に着目して実例を観察してみた結果、実際は状況に応じて様々なパターンの存在が確認されましたので、それらを参考にバラスト撒布を進めていこうと思います。

BStB Ce2/2の改軌(その2)


BStB Ce2/2の改軌、続きです。


車輪を、先に書いたNWSL社製HO用の8.75 mm径2.24 mm厚車輪に内径1.5 mm、外径2.4 mmのブッシュを嵌めたものに、ゲージを合わせつつ交換しました(手前に並んでいるのが元々の車輪です)。交換した車輪の軸径は3/32インチ(≒2.38 mm)でしたので(パッケージの、2.0mmという記載は間違っています。先輪用… なのでしょうか…)、内側に嵌めた真鍮ブッシュはがっちりと固定されましたが、その内側に嵌る外径1.5 mmの車軸との嵌めあいはゆるゆるです。ガタがないだけ良し、ということで、手持ちの「アロンゆるみ止め」なる嫌気性接着剤を使って固定しました。交換してみますと、ゲージが狭くなった所為もあり、フランジ外縁とフレームの一部が接触しそうになりましたが、何とかクリアしました。オリジナル車輪のフランジ外径が10.75 mm、交換した車輪のそれが10.05 mmですので、オリジナル車輪のままゲージを詰めていたら接触していたかもしれません。


改軌完成後の姿がこちらです。車軸や台車枠はそのままに、ゲージだけ狭めただけなので、「長軸の動力車」という、東急3500系の様な異例の構造となっています。で、BStBの後身であるBVBの本に掲載されている、同時代のバーゼル市電の図面を眺めてみますと、これが長軸なんですねぇ… ということで、言い訳を考えるまでもなく、「長軸で良し!」ということになりました。


で、将来の運転を考えますと、遅かれ早かれDCC化する必要がありますので、搭載候補として、BachmannのBirney Safety Carに搭載されていたデコーダを掘り出してきました。四輪固定のために集電性能が劣悪だったため、Keep-Alive機能が内蔵されたTCS社製KAT22デコーダと交換した余りですが、こちらの動力装置は、車軸にいささかのガタが与えられ、疑似イコライジング支持になっていますので、それで何とかカバーできないものかと、淡く期待しています。

【12mmホイホイ】地面の着色と緑化


線路廻りの地面工作を続けます。


軽量紙粘土で造形した地面の着色を色々試しましたが、中々上手くいかず、数回やり直すことになってしまいました。自宅近所の地面をデジカメで撮ったりして試行した結果、ローアンバーを主体に、プライマリーブルーで彩度を下げ、チタニウムホワイトで明度を上げることで何とかそれらしき彩色となりました。で、塗り終わった後で近くに転がっていたタミヤのXF-72「茶色(陸上自衛隊)」と並べてみると、殆ど同じ色相になりました。まぁ迷彩色ですから、日本の地面と同じ色相になるのは当然、ということです。


さて、着色した地面の上には、植生を再現しなければならないのですが、今回はここに写っているKATO製の「はじめての草はら」(NOCHのOEMです)を使ってみることにしました。草を撒く際、静電気で繊維を立たせるという製品は、NOCHを始めとしてこれまでにも数社から販売されていましたが、これもその系統の製品です。それらは、電池を使用して高電圧を起こす、というものでしたが、これは、ボトルを振って静電気を起こすというもので、低コストで道具立てが簡易なのが魅力です。


使用したのは、セットに付属している「日本の草はら[ブレンド]」という材料ですが、繊維は見事に立ってくれました。付属の「草はら糊」は、酢酸ビニルエマルジョン系のものの様ですが、濃度が木工用に販売されているものと比べて濃い様です。写真ではかなり緑が強く写っていますが、実際にはもうちょっと黄色が入っています。「ブレンド」の他にも4種類の色がありますので、使い分けたり、混色してみたりと工夫し甲斐がありそうです。