DCC

“BLIMP”のリパワリングとDCC化


The Car Works製のPacific Electric “BLIMP” の動力装置を更新し、DCCデコーダを搭載しました。


モーターをIMONのミニモーターD2に、ジョイントをエンドウのユニバーサルジョイントに変更しました。モーターホルダーは取付孔とベアリング嵌合孔をちょっと拡げて再用しました。長細くて、余り利きそうにないフライホィールも、引っ張ったら簡単に外れましたので、「枯葉も山の賑わい(つまらないものでも,ないよりはまし)」ということで移植してみました。台車とギアボックスは再用しました。


(裏返っていて型番がみえませんが…)DCCデコーダは、在庫品から掘り出してきたDigitraxのDH121です。或る特定のCV値の、或る特定のビットを触ると動作しなくなる(回復不能)という問題を抱えたデコーダですが、ここでは単純にモーターだけの制御(本製品のライトは全てダミーです)ですので、役立って頂くことにしました。何かあってもソケット付ですから、簡単に交換できます。


その他にも、台車の追従性向上のため、動力台車のセンターピンスプリングは撤去し、付随台車のセンターピンネジを緩めました。緩めただけでは抜けてきますので、下側からロックナットを噛ませました。非絶縁側車輪からの集電は、オリジナルではセンターピン経由で導通していましたが、センターピンスプリングを撤去したり、センターピンネジを緩めたりしましたので、その辺の導通は最早期待できません。そこで、台車に直接コードを接続して、良好な導通を目指すことにしました。コードは、分解時を考え、IMONの穴径φ1.4 mmのラグ板を介し、台車組立ネジに共締めしました。当然のことですが、接触部の塗膜は剥がしておかないと、導通に支障がでます。弊社では、デザインナイフの刃先で塗膜を剥がしてみました。台車枕梁のボルスターとの摺動面には、10B鉛筆で、潤滑用の黒鉛を刷り込んであります。

とりあえず、ここまで弄ってみましたが、滑らかに走行させるには、もうちょっとチューニングが必要な様です。

【関東合運向け】Digitrax DCCの復習


再来週の関東合運に向け、Digitrax DCCの要点を復習してみました。自宅では主に、NCEのPower Cabを使っているため、不明確な点がありましたので、その辺を中心に再確認です。


9月23日の接続試験で使用したシステムの再確認です。これまでと違い、DCS50Kをオートリバースに設定しましたので、その動作確認です。リバース線を展開するのは面倒なため、フィーダ付ユニトラックを2つ準備し、片方から片方へ通過させ、機関車の載っていない側を前後反転させることによって、リバース状態を作りました。接続試験では、間にDual Frog Juicerからの給電区間が挟まっていましたが、それなしでも無事、運転できることが確認されました。

いい機会でしたので、線路電圧を測定してみました。DCS50Kの出力は13.3V、DB150のそれは、N、HO、O/Gの順にそれぞれ、11.3V、13.6V、15.7Vでした。2月運転会では大差があったのですが、今回はほぼ揃っていました。ひょっとすると、2月には間違えて、O/Gに設定してしまったのかもしれません。


続いて、弊社の初代ブースタ、DB100+のオートリバース設定の確認です。それ以降のブースタと異なり、DB100+は内部にOpSwを持っていませんので、外部でジャンパ線とスイッチを操作することによって設定します。具体的には、SYNC端子とGROUND端子をジャンパ線で結んでから電源を入れ、MODEスイッチをOFFからP/Rにすれば、オートリバース動作のブースタとして機能します。MODEスイッチを更にRUNまで倒せば、単なるブースタになります。SYNC端子とGROUND端子を結ばなければ、内蔵の、極初期のコマンドステーションが動作します(購入当時から時代遅れでしたので、これ以上は調べていません)。出力電圧は、P/R MODEとRUN MODEでは差がなく、N、HO、O/Gの順にそれぞれ、12.0V、14.4V、16.4Vでした。同じACアダプタですが、DB150とDB100+では、だいぶ差がある様です。

あと注意すべき点は、OVER TEMP LEDが、動作していない状態では常時点灯することです。マニュアルによると、「幾つかのDB100 (In some DB100 boosters,)は…」ということですが、弊社のDB100+はそれに属する様です。


DB150とDB100+のフロントパネルの比較です。塗装は、DB100+のほうが手が込んでいて、当時の意気込みが伺われます。DB150は内部にOpSwを持っていますので、それを使って種々の設定が変更できますが、重要部分はジャンパ線でも設定できるとのことです。備忘として書いておきますと、CONFIG A端子とGROUND端子を結べばブースタとして、更にCONFIG B端子とGROUND端子を結べばオートリバース動作のブースターとして機能する、とのことです(未実験です)。

工作再開準備


毎度乍ら仕事の関係で、1~4月の工作進捗は緩慢というか、殆ど休止状態になります。4月も中旬を過ぎ、何とか仕事の山も越えたので、工作の再開に向け、仕掛品を点検してみました。

1.複線分岐


再生中の複線分岐は、使用パーツが揃っていることが確認できました。あとはこれらを組み上げて実装すれば、使用できる様になるでしょう。次回工作会のテーマでしょうか…

2.SEPTA Kawasaki LRV


こちらも、細々と作り溜めたパーツを確認しました。ポールのベース部品や灯火類の基板が未だ出来ていません。DCCデコーダ等の電子回路は入手済みですので、今年中には何とか纏め上げたいものです。

3.Pacific Electric “BLIMP”


こちらも、(写してはいませんが…)セコハンのDCCデコーダ(DH121)とハーネスを発掘して、就役整備進行中です。ということで先ず、ポールを修復しました。じっくり触ってみると、ハンダ付け後の洗浄不足で、かなり動きが渋くなっていまして、これも、ポールが曲がってしまった要因かと感じています。この辺は錆び落とし後、潤滑剤としてNeolubeを塗りました。写真は修復作業で力を掛けた際に外れてしまったハンダ付けを修復している状況です。「Super Strong Soft Solder!」と銘打たれている、P.B.L.社の「TRICK-10k」を使ってみました。無鉛ハンダ、らしいです。

【関東合運向け】接続試験


例年通り、9月23日に「ほっとプラザはるみ」において、10月の関東合運に向け、予行を兼ねた運転会を開催しました。


今年度の配置です。例年通り、事前にCADを使って検討した結果の確認です。今年の接続試験では、主要メンバー複数人に身体的トラブルが発生したため、輸送に少々労力がかかりましたが、何とか配置を確認することができました。


別角度からの写真です。後方に写っているのは、四輪車で参加された会員に託したホイホイの梱包です。で、ちょっと不自由な身体(実は筆者、八月末に左肘を骨折しました)で荷造りしている時、必須部分を忘れたため、片方のループ線を組むことが出来なかったのが、一番の反省点です。帰宅後、現存を確認しましたので、合運本番には忘れない様にしなければなりません。


これは最近発売された都電の模型に、DCCデコーダを積んでテストしている状況です。「仮」ということで、KATOのNゲージDCCフレンドリー車対応のEM13動力車用デコーダにリード線を直結して配線してあります。思うに、運転だけを考えた場合、最廉価の量産型完成デコーダではないでしょうか? 但し、モータ制御だけなので、前照灯と尾灯双方が点灯しっ放しになるのが問題とのことです。ライトの制御回路がユニット化されていますので、対応するには知恵を絞る必要がありそうです。

尚、同時に開催しました2018年度総会も無事終了致しました。

【進捗状況】複線分岐の制御(その2)


1.各給電区画への給電区分(2)

前の書き込みに対し、kingyoさんからコメントがありました。

「「並行給電では、5と6、7と8はリバース区間に」する必要がありますか? この分岐の板にその機能まで持たせるのは線路板の配置を制限してしまうので、ホイホイの趣旨を損なうかと思います。」

うーん。確かに、ループ配置を重点的に考えて、単なる分岐としての使用時の検討が甘かった点は否めません。単純な複線分岐とした場合、車輛が通過するごとに、5-6と7-8がパタパタ切り替わりそうなのは承知していました。トラブルの原因になりそう、という判断はありかと考えましたが、15 msの周期でショートを監視し、300 ms以内に切替を完了するFrog Juicerを使用すれば、そう大きな問題は発生しないだろうと思っていました。

「ウチの複線分岐は5〜8以外同じようなギャップの切り方・合計10ブロックで…」

ということで、10ブロックでの給電区分を考えてみました。

整理結果をみると… 並行給電では3箇所、対行給電では2箇所を切り替えれば宜しいことが判りました。kingyoさんの、

「Dual Frog Juicer×1+Mono Frog Juicer×2で並行/対行給電両方に対応しています。」

というのが裏付けられました。

2.リレー接点の利用

さて、よくよく眺めてみると… Aブロックは並行、対行給電に関わらず、同じパターンであることが判ります。ポイント切替用回路に組み込まれているリレー(G6KU-2P-Y)は、2回路のうち1回路が遊んでいます。データシートによると、「接点電流の最大値」は1 Aである由。0.3 Aの消費でアワアワ言ってるMTCCならば、0.5 Aも流れることもないのは必定、おまけにポイント切替中に車輛が当該フログ上を走行している(=活電流を切り替える)ことはほぼ皆無、ということで、Aブロックをリレーによって切り替えれば、並行給電ではMono Frog Juicer×2、対行給電でもMono Frog Juicer×2で間に合いそうです。

3.Frog Juicerの制限

さてここで、Frog Juicerの接続制限を考えることにします。

Frog Juicerの製造元であるTam Valley Depotでは、「1ブースターに接続できる給電点数は、Mono Frog JuicerとHex Frog Juicerは24点迄、Dual Frog Juicerは概ね4点」と述べています。これは、リンク先にある通り、Mono/Hex Frog JuicerとDual Frog Juicerでは、製品の性格が異なる所為かと思われます(用途がMono/HexがZ-HO/On30であるのに対し、DualはO-F、換言すれば、Dualは「大電流スペシャル」)。

複線分岐ホイホイからリバース区間切替機能を排した場合、リバース区間切替用にDual Frog Juicer×2かHex Frog Juicer×1が必要となります。Dual Frog Juicer×2では1ブースターあたりの制限をオーバーします(リバース区間だけで一杯一杯の上に、複線分岐内のMono Frog Juicer×2の分が加算されます。ブースターを幾つも使えるのであれば別ですが…)。Hex Frog Juicer×1では、2給電点が使用されずに遊ぶことになります。

ということで、直線側1-4ブロックの先を5-8ブロックとして独立させ(図省略)、リバース区間としても使える様に、切り替え可能な構造にしておくのが現状での最適解ではないかと愚考するのですが、如何なものでしょうか?