【線路規格】曲線半径


昔、松本謙一氏が「とれいん」に書かれた様に、鉄道模型には「小カーブ通過を何よりも優先」する考えと、「プロポーションを優先し、その限界でカーブを選ぶ」という2つの考えがあります。実際には、種々の制限から、この2つの相反する考えの中間に落ち着かざるを得ないのが現実ですが、実物が小カーブを通過している路面電車を題材にすると、この2つの相反する考えを両立させることができ、「小スペースでスケール車輌をスケール線路上で運転すること」を楽しむことができます。

今回の合運では、これまでと違い、130 mmから500 mmまで、多彩な曲線半径で運転を楽しみました。通過できる車輌、できない車輌と様々でしたが、これらの曲線がプロトタイプでどの位の曲線に相当するのか、徒然なるがままにWikipediaや蔵書で調べてみました。

プロトタイプ 曲線半径 コメント
ニューオーリンズの電車庫内 28 feet:(HOで) 98 mm ホントかな?と思えるくらいの急曲線です。
バーゼル市電 10 m:(HOで) 115 mm 昔の写真では、複々線の停留所を囲んでエンドレスがあります。実物通り、短軸距の単車なら曲りそうです。
サンフランシスコ市電 43 feet:(HOで) 150.5 mm BowserのPCCが180 mmRを通過するのは納得できます。或るサイトに、旧製品をちょっと改造して7インチ半径を通過させる、という記事がありましたので、スケール半径は無理かもしれません。
ニューオーリンズ市電 50 feet:(HOで) 175 mm Bowserの新製品は半径6インチを通過するそうです。何とかスケール半径クリア、というところでしょうか… でも、車庫内にあるという、半径98 mmはまず無理でしょうねぇ…
東京都電 18 m:(1/80で) 225 mm ムサシノの5501は通過します。6501もかなり苦しそうですが、何とか通過します。MODEMO改造の6044は楽勝、です。
玉電 18.2 m:(HOで) 209 mm、(1/80で) 227.5 mm IMON(旧乗工社)の玉電シリーズは通過するでしょう。車輪を交換(厚さを増す)すればより安心して運転できそうです。
能勢電(線形改良前) 20 m:(1/80で) 250 mm 標準曲線ホイホイで丁度スケールです。
シカゴ・L 90 feet:(HOで) 315 mm 実物では、下の江ノ電と同半径です。
江ノ電 28 m:(1/80で) 350 mm なかなかの急曲線です。

総体的にみると、模型とはいっても、かなり厳しいものがある場合があることが判りました。

では模型の規格ではどうなっているのか… は、また別の機会に書きたいと思います。

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