都電のポイント


一般的に、分岐器のフログが鋳造であれば、接続するレールの太さや角度の情報が陽刻されています。で、良く観察してみると、路面電車用のフログにも同様の情報が記されています。


大塚駅前の亘り線の例です。「50-13°」と記されていますので、「50kgレール用で、分岐角13°」という意味かと思われます。そこで、荒川線全線でどのようなフログが使われているのか、昨年第四四半期に踏査してみました。


これが結果一覧です。各所で、普通レールからの組立式になっているのが目につきます。これは最近、NC加工技術の進歩で、路面電車の分岐器が、鋳物から組立式へ移行しているからでしょう(RRR Vol.70 No.12.)。サイディングという表記が適当かどうかは不明ですが、前後逆にすれば同じなので、そう表現してみました。


図面番号は、分岐器の銘板に記載されていました。これは三ノ輪橋の例で、RT50NM#5と読めます。おそらく、(“M”の意味がちょっと不明ですが…)「Right Turnout 50Nレール #5」という意味かと思います。13°という角度は番数で、4.39番に相当します。ということで、荒川線の本線では4~5番相当のフログが使用されていることが判りました。例外的に、荒川車庫への分岐がこれらより急ですが、既に組立式に更新されていますので、フログから番数や角度を知ることはできませんでした。銘板もあったのですが、汚れで判読不能でした。幸い、「風雅松本亭」さんのwebページで、ここの上から5番目の荒川線分岐器のフログと、ここの上から5番目のフログは同じものの様にみえますので、それが正しいとすれば、「20°59’」という角度になります。番数では2.70番に相当します。


これが組立式フログを使った分岐器です。鋳物時代の写真は、ここにあります。先人達は、鋳造ポイントの再現に色々と苦労されていました(二井林(1967).トロリーラインのレイアウト.レイアウト全書 p101-125.、ダブルクロッシングとポイントの自作)が、これならばレールのみを材料にして製作できそうです。

参考までに、これら組立式フログを使った分岐器のメーカーwebサイトを記しておきます。ここの製品情報→特殊分岐器の項には、参考となる情報が色々と掲載されています。

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