江東電気軌道(KDK)

Pacific Electric 100 Series Local Car (4)


ヘッドライトの基板を作ります。


1.6 mm厚PCBを写真の様に切り出しました。切り欠きに3020サイズの、電球色チップLEDをはめ込もうという目論見です。全体的な寸法は、組立時の便宜を図ろうと、妻板下端のラグに合わせて接着すると、チップLEDの中心がヘッドライトの中心高に合致する様にしてみました。


筋目を裏から刻んだPCBに、固定と配線を兼ねた真鍮帯板でハンダ付けしました。LEDの右側に写っている素子は、5.6 mAのチップCRDです。いずれも筋目を跨いでハンダ付けして回路を構成しています。デコーダへのリード線はまだハンダ付けしていません。


塗装に掛ります。台車はプルマングリーンとのことですので、先人の検討結果に倣い、タミヤのダークグリーン2(イギリス空軍)(XF-81)を筆塗りしました。ランナー(?)の切断面は、タミヤのフラットブラック(XF-1)でタッチアップしておきました。”Black” Natural Versatile Plasticといっても、黒いのは表面だけで、中心部は白色でした。黒色は成型後の着色、ということでしょう。

英国型路面蒸機 (3)


上回りの塗装に移ります。


断面10×20 mmの角材に、こんな感じに仮止めして室内から塗り始めました。購入元の解説に従い、プライマーなしでアクリル塗料を筆塗りしました。解説では水性塗料が奨められていますが、今後のレタリングとオーバーコートのことも考え、油性塗料で塗装しました。

Connoisseur Models製Oゲージキットの、Etched and Cast Parts Identification Sheets中の記載によると、室内はbuff/light tanということですので、タミヤのバフ(LP-75)を塗りました。


車体です。屋根はgrey、車体はLNER coaching stock brown teak、スカート等はblack、端梁はredということですので、それぞれGMのねずみ色1号(09)、グンゼのウッドブラウン(43)、クレオスのタイヤブラック(137)、タミヤのフラットレッド(XF-7)で塗ってみました。車体色は全然見当も付かないのですが、ネット上の作例写真を眺めて、「まぁこんなとこかなぁ…」という感じで決めました。「グンゼ」とクレオスの旧名が書かれているのは、古い在庫品を使用したためです。固まる寸前でしたが、クレオスの「真溶媒液」を加えると、使用可能な状態にすることが出来ました。


室内のボイラー等はblackということですのが、影に沈むのを補償するために、やや明るいタミヤのジャーマングレイ(XF-63)を塗ってみました。

Versatile Plasticを塗装してみての感想ですが、多孔質で塗料を吸うこと夥しいものがありました。これをスプレーでやるとなると、手間は相当かかるでしょう。表面も粗面ですので、筆塗りで充分かと思いました。

Pacific Electric 100 Series Local Car (3)


塗色を検討します。基準は(どこまで信頼できるかちょっと不安ですが(理由は後述))、The Car Works製のPacific Electric “BLIMP”、#308です。


紙の小片に塗料を塗布してカラーチップを作り、それを見本車体に当てて適否を判断しました。前提として、1)絶対的基準が入手できないので、類似色で我慢すること、2)自家調色は再現性という観点から問題があるので、出来れば既存調色から選定すること、の2点を基本方針としました。

屋根上に載せた色見本は、左から「クレオスc45 セールカラー」、「クレオスc44 タン(ライトブラウン)」です。「クレオスc45 セールカラー」がまぁまぁ合致している様子ですので、これでいこうかと思います。

実車は、大東亜戦争(太平洋戦争は2つあるので…)以前はシルバー、開戦後慌てて軍艦色(USNからの支給、とのことです)で塗装、その後紆余曲折あって最終的に、ここで選んだ「タン」になったらしいです。


車体色です。左から「クレオスc81 あずき色(赤2号)」、「GM29 バーミリオンA」(要するに京急色)、「クレオスc68 モンザレッド」です。モンザレッドは明る過ぎますが、「あずき色」と「バーミリオンA」はいい線いっています。ここは、「京急はPEをモデルにした」という伝説を信じて、「バーミリオンA」とすることにしましょう。


ドアと幕板、ストライプに使用されているオレンジです。The Car Works製の“BLIMP”基準では、上側の「クレオスc59 オレンジ(燈)」と、下側の「GM17 オレンジA」(要するに近鉄特急のオレンジ)の中間辺りの印象でしたが、実際のところこの色は、ストライプの色と同じ筈ですので、使用するデカールと揃えるのが合理的です。ということで、Microscale Industries社の#87-564
と比較してみました。結論として、「クレオスc59 オレンジ(燈)」が、ちょっと華やか過ぎる印象もありますが、そこそこ合致する様です。

最後は室内色です。まぁ常識的に、天井は「白」でしょう。室内壁面は当時の動画を参照しますと(Pacific Electric-Los Angeles Streetcars Combo DVD)、薄緑色の様ですので、「GM41 ブルーC」で塗装することにします。見本とした「The Car Works製“BLIMP”」では、室内全て屋根色で塗りつぶしされていますが、「流石にこれはないかな…」という判断です(だから基準としてはどうかねぇ… ということです)。

Double Truck Birney (3)


床下機器を検討します。


購入したBowser社製3Dプリント床板には、床下機器の表現が全くされていません。Ken kidder製オリジナル床板には、写真の様な床下機器の表現がされていますが、正直に言って、感心し難い表現で、これまでに見たことのある、P.E.のDouble Truck Birneyの写真と見比べてみても、再現性がいいとはとても言えない造形です(そもそも、市街電車クラスでエアタンク2つというのはあるのでしょうか…)。そこで手持ち資料を探してみますと、Carstens Publications, INC.刊「Traction Planbook, New second edition」の31ページに、Pacific Gas & Electric Co.の類型車の図面が、床下機器側面を含めて掲載されています。見た感じ、P.E.のDouble Truck Birneyの床下とも矛盾しませんので、それを基に床下機器を作ってみることにします。


ということで、その図面から取付板の寸法を割り出し、0.3 mm厚真鍮板に罫書いてポンチを打ち、折り曲げ線内側に「カキ(OLFAのプラスチックカッター)」で筋を掘った状況です。手前二辺は糸鋸細工の前に、罫書き線までヤスリで削り込んであります。


固定用の孔を開けて周辺を糸鋸(スーパーパイクの#6/0を使いました)で切り出し、折り曲げ線で曲げた後、ボックスの外板とエアータンクを付けた状況です。この後、コンプレッサー(エコーモデル#1642)と抵抗器(同#633)を床下機器取付板側面に接着して、床下機器の再現としたいと考えています。

英国型路面蒸機 (2)


下回りを組み立てて艤装しました。


床板上面は平面を保たなければいけないので、DCCデコーダ等を含め、全てを床板より下に収めました。床板と動力フレームには最終組立前に「黒染め」を施したのですが、色々試行錯誤するうちに大分剥がれてしまいました。まぁ宇宙機で言うところの「PM (Prototype Model)」ですから、致し方ないところです。本来ならば、ここでの試行錯誤を反映した「FM (Flight Model」を作って、それを使用すべきなのですが、予算および時間的な制約がありますので、これで良しとします。


モーターからの配線は、フレーム側面の孔(折り曲げてモーターブラケットになった部分の跡)から引き出しました。コードとフレームが接触する箇所には、ヒシチューブを嵌めて摩耗防止を図っています。こちら(左側)は非絶縁側ですが、二軸車ですので、少しでも集電を良くするために集電ブラシを付けてあります。集電ブラシは動力キット付属のものではなく、長いものを新調して装着しました。


絶縁側(右側)です。集電ブラシは床板との接触面に、方眼紙小片をエポキシ系接着剤で貼り、プラ製M1.4ネジ(動力キットの付属品です)でネジ止めすることで絶縁してあります。薄紙とエポキシ系接着剤で絶縁層を形成する方法は、故Kingyoさんからご教示頂いた方法です。

DCCデコーダ(DZ123)は、後ろの懸架金具内部に押し込み、後ろ側に配線中継を兼ねたPCB基板を両面テープで固定して抜け止めとしました。この後、DCCデコーダの諸CVをセットし、黒染めした動輪輪芯を、方眼紙を挟んでエポキシ系接着剤で固定して、下回り完成と相成りました。