ホイホイ・MTCC規格モジュール

【線路工作】進捗状況


先に報告したプロジェクトの進捗状況です。

1.車庫分岐の舗装

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アスファルト舗装を模した部分にマーメイド紙を貼りました。保管しておいた「こいねず」の切れ端で何とか賄うことができました。

2.右亘り線

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進捗なしです。タイバーの下とか、トングレールとリードレールの関節下とかに開ける孔の「当たり」はとったのですが、そこまでです。

3.ループ線

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路盤となるべニア板と、補強材となる角材を切り出しました。次は補強角材を、直角切断部で調整しつつべニア板に接着して台枠にする訳ですが、その前にべニア板に、ユニトラックのジョイナー部を収める切り欠きを作らねばなりません。一年中で一番忙しい時期ですので、意識しておかないと、「進捗なし」ということになりかねません。

さて、3月まで、どの位進むでしょうか…

【線路工作】進行中プロジェクト


新年を迎えますと、あちこちのサイトに、「今年の予定(或は希望)」みたいな書き込みが多数見受けられる様になります。それに触発されて、現在進行のプロジェクトを整理しておくのも励みになるかなと思い、やってみました。

1.車庫分岐の舗装

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一昨年(2014年)の関東合運に向けて線路敷設まで完了し、昨年(2015年)には舗装まで完了させようとして果たせなかった車庫用分岐ですが、これの舗装を今年こそ完成させようと… 〆は次回関東合運です。

2.右亘り線

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MSRのPCCカーが揃ってきたので、こういうものもありかなということで、かなり昔に作り始めた右側通行用の亘り線です。既にある左亘り線と同じく、MRCのAUTO REVERSEユニットを組み込んで無電区間を排除する計画で進めていたのですが、パラレル配線だけを考えていて、ドッグボーン配線を考えていなかったのであえなく挫折した代物です。色々考えて、ようやっと配線をパラレル/ドッグボーン切替に出来る目途が立ちましたので、工事を再開したいと考えています。次回関東合運までには、運転可能な状態には持っていきたいと思っています。リバースの切替には、ホイホイの台枠に収めるために大改造したMRCのAUTO REVERSEユニットを使ってみる積りですが、運転に支障がある場合には、Frog Juicerに置換します。昔のFrog Juicerは、自宅で使用しているNCEのPowerCabでは動作しなかった様ですが、今の製品は大丈夫ということになので、問題はなくなりました。

3.ループ線

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完全な新規プロジェクトで、ようやっとべニア板への罫書きを初めたところです。ご覧の通り、一旦対向線路を亘ってループする線路です。まぁ、これを作れば、複線分岐に必要な曲―直フログの製作技術が検証できる、という意味もあります。配線は勿論、Frog Juicerを使用したパラレル/ドッグボーン切替方式とします。目標は次回関東合運までに運転可能な状態に持っていき、実地試験でトラブルがないか確認することです。でないととても怖くて舗装なんて出来ません…

さて、実際のところ、どこまで出来ますでしょうか…

【線路工作】単コロホイホイの拡張


以前、「最小限のエンドレス」ということでご紹介した単コロホイホイですが、外部との接続用の分岐線が出来ていることから、これを利用した留置線を作り、ストックしてあった同規格の300 mm単線直線を掘り出してきて組み合わせ、写真のようなエンドレスを作ってみました。
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留置線のボード幅は50 mmで、周辺との干渉を避けるため、ギリギリまで狭くしてあります。それでも架線柱建植のスペースが確保され、予備工作もされているのは、単コロホイホイの伝統であります。長さは300 mmで、28 mm長の端部を作って接続してあります。
元はといえば、300 mm長のPCB枕木軌框が余っていたので、それの有効活用ということから企画したのですが、使用されていたレールがシノハラの#70、分岐線分岐側はKATOの#83だったので、出来上がってみたら段差が酷い酷い… 在庫セールで材料用に確保しておいた790 mmR曲線旧製品から、レールを抜き取って置換しました(790 mmR曲線ひとつから、300 mm長レール2本がぎりぎり確保可能です)。最後に、ガードレールのフランジウェイを、Bachmann製のBirney Safety Carが通過できるように調節して竣工としました(PCB枕木ですと、比較的簡単に調節できます)。
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これをそっくりそのまま、工作部屋のラックに棚板を増設して捻出した、高さ140 mmのスペースに押し込みました。これで弊社もようやく、常設運転場を確保することが出来ました。写真に写っているDocksideは、以前紹介した時から、マーカーライトにMVレンズを入れたり、ロッドにネオリューブを塗ったりと、一応の仕上げをしてあります。流石は実車軸距7 feet、半径130 mmカーブをスイスイ通過します。
棚板上面は床面より凡そ1535 mm、目線は丁度、Docksideの煙突上端になります。車輛を見下ろす格好は避けれれたので、まぁまぁ満足しています。
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使用したポイントがシノハラの選択式ですので、分岐側のジョイナーは2線とも全て絶縁とし、留置線は直線部と端部間をターミナルユニジョイナーで接続して、独立給電ブロックとしました。2本のフィーダーは、接続コードを一回り太いものに交換した分岐コネクターでひとつに纏め、PowerCabに接続します。
分岐コネクターはぶらぶらして邪魔なので、手元に転がっていたネオジム磁石をアセテートテープで抱かせ、棚板下面に固定しました。テープ等で固定しますと、経年変化でテープが変質し、棚板を汚損する可能性があるため、それを回避しようという工夫ですが、さてどうなりますことやら…

【線路規格】複線間隔


先に曲線半径を調べてみましたが、今度は複線間隔です。

NMRA STANDARDSのS-6に、「Interurban Clearance and Track Centers」というのがあり、これでは、線路中心間隔は1.75インチ(≒44.5 mm)以上、となっています。East Penn Traction Clubのモジュール規格では中心間隔2インチ(EPT-5)、凡そ51 mmですから、標準ホイホイの50mm間隔ならば、大きな問題は発生しないと思われます。

ちなみに、日本国内での実例は以下の通りです。諸外国の例も注意してみているのですが、今のところ未見です。

路線名 実物間隔 縮尺換算 出典(敬称略)
荒川線 2610 mm 1/80で32.6 mm、HOで30 mm 宮松(1986)
叡電 3350 mm 1/80で41.9 mm、HOで38.5 mm 栗生ら(1997)
玉電 2743 mm(多分9’) 1/80で34.3 mm、HOで31.5 mm 高間ら(1997)
阪国 10’6” 1/80で40.0 mm、HOで36.8 mm 高間ら(2000)
鹿児島 3217.5 mm
(幅900 mm、高さ250 mmの中央分離帯を含む)
1/80で40.2 mm、HOで36.9 mm 松脇(2007)

NMRAやEPTCの規格は満たしていませんが、都電ホイホイの40mm間隔も、日本国内に限定するのであれば、問題が生じる可能性は低そうです。

出典は以下の通りです。

宮松丈夫(1986).王電・都電・荒川線.大正出版.
栗生弘太郎(ed.)(1997).叡電図面集.叡電総務部.
高間恒雄(ed.)(1997).東急電車形式集.3.レイルロード.
高間恒雄(ed.)(2000).阪神電車形式集.3.レイルロード.
松脇秋彦(2007).鹿児島市の市電軌道敷緑化計画.Consultant.285,58-61.

【線路規格】曲線半径(2)


先に実物の例を集めてみましたが、では模型の規格ではどうなっているのか… という続きです。

鉄道模型の「決まりごと」としては、NMRA規格やらNEMやら色々あると思うのですが、とりあえずアクセスし易いのはNMRA規格なので、それを眺めてみました。NEMは独仏語版しかないので、ちょっと敷居が高いです…

先ず、NMRA STANDARDSのS-6に、「Interurban Clearance and Track Centers」というのがあります。インターアーバンで、架線柱を線路中心からどれだけ離すべきか、線路中心間隔はどれ位にすべきかが決められています。この値は、「interurban and street railway equipment only」ということですから、その辺は注意しておく必要があります。

直線では、架線柱を線路中心から13/16インチ以上、線路中心間隔は1+3/4インチ以上、ですが、カーブが急になるにつれて離すべき距離は増えていき、最急では実物で35フィートのカーブまで列挙されています。これはHOで半径122.5mm(6+9/16インチ)、1/80で133.4mmのカーブに相当します。この間に我が「単コロホイホイ」が位置します。

また、NMRA RECOMMENDED PRACTICESのRP-11に、「Curvature and Rolling Stock」という推奨値があります。要するに、車輌(equipment)はこの位は通れる様に設計しよう、また、線路(layouts)はこれ以下の急カーブは使わないようにしよう、という数字です。

で、ここで対象となってくるのは、「Street Cars」と「Interurban」です。「Interurban」は車体長によって、CからEの3つに区別されていますが、路面併用軌道を走行する場合は、Bに一括りにされています。それによると…

「Street Cars」は最急カーブ36インチ(実物で)、最急2.5番ポイント
「Interurban」は最急カーブ50インチ(実物で)、最急3番ポイント

と述べられています。HOではそれぞれ半径126mm(5インチ)及び半径177.8mm(7インチ)になります。1/80ではそれぞれ137.2mmと190.5mmとなります。偶然ですが、我が「都電ホイホイ」のカーブ(半径180mm)は、併用軌道を走行する「Interurban」の値に似通っています。

また16.5mm軌間を前提に作図してみると、2.5番ポイントは半径126mm、3番ポイントは半径294mmより緩い半径では構成できない様です。とすれば、「標準ホイホイ」の半径250mmというのも、適切な選択であったと思います。

ということで、20年近く前に、収容ケースの大きさやカーブの通過具合から適当に割り出した諸元が、意外とNMRA STANDARDS及びRECOMMENDED PRACTICESを満足させているので、ちょっとびっくりしている次第です。

でも、S-6では、線路中心間隔は13/4インチ以上、となっていますから、標準ホイホイの50mm間隔は規格を満たしますが、都電ホイホイの40mm間隔はちょっと狭すぎますかね… ということで、いずれ、複線間隔も調べてみようかと思っています。